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ブライトンの三笘薫がマークを引き付けて決勝点をアシスト。FA杯8強進出を決めた(写真・ロイター/アフロ)
ブライトンの三笘薫がマークを引き付けて決勝点をアシスト。FA杯8強進出を決めた(写真・ロイター/アフロ)

ブライトン地元メディアは三笘の絶妙アシストを「彼の知性が唯一のゴールにつながった」と絶賛…新境地の中央でのプレーでFA杯8強に導く

  FAカップの5回戦が28日(日本時間3月1日)、敵地のBet365スタジアムで行われ、日本代表MF三笘薫(25)を擁するプレミアリーグのブライトンがチャンピオンシップ(2部)のストーク・シティを1-0で下して4シーズンぶりのベスト8進出を決めた。前半30分にスルーパスに抜け出した三笘が絶妙のアシストを決めて勝利に貢献。主戦場の左サイドではなく中央でのプレーで新境地を見せた。

 囮になってゴール演出

 世界最古のカップ戦、FAカップで三笘がまたもまばゆい輝きを放った。
 0-0で迎えた前半30分。右サイドから2人のボランチを介して、ブライトンのキャプテン、DFルイス・ダンク(31)へボールが下げられた直後だった。
 主戦場の左サイドではなく、中央寄りのレーンにポジションを取っていた三笘もボールの行方に合わせて戻る動きを見せる。マーク役だったストーク・シティの右サイドバック、デュジョン・スターリング(23)の視線は三笘ではなくダンクの動きに向けられた。
 しかし、三笘の動きは“囮”だった。
 次の瞬間、素早くターンした三笘がトップスピードでペナルティーエリア内へ侵入していく。以心伝心の連動から、ダンクのスルーパスが三笘のもとへと通る。三笘の意図的な動きに虚を突かれ、背後を取られたスターリングはまったく反応できない。三笘の目の前にはストーク・シティの守護神、ジャック・ボナム(29)だけという状況が瞬時に生まれた。
 ボナムが間合いを詰めてくるなかで、三笘は心憎いまでに冷静沈着だった。ボナムの眼前で左足を駆使して、ボールをワンタッチで中央へ折り返す。無人と化したゴールを目指して、相手のマークを振り切ったアイルランド代表FWエヴァン・ファーガソン(18)がノーマークで走り込んでくる。この試合における唯一のゴールシーンが、完璧かつ鮮やかな三笘のプレゼントパスから生まれた。
 三笘へ全幅の信頼を寄せるイタリア人指揮官、ロベルト・デ・ゼルビ監督(43)から求められた新たなプレーを、公式戦3つ目のアシストでさっそく実践してみせた。
 フラムに0-1で屈し、2023年に入ってから公式戦で初黒星を喫した18日のプレミアリーグ第24節の直後。対面に複数の人数をかけられ、縦への突破を封じる対策を講じられていた三笘に対して、デ・ゼルビ監督は檄を込めてこう話していた。
「1対1の局面において、三笘は世界で最も素晴らしい選手の1人だ。その彼に改善してほしいのはもっとピッチの内側に入り、チームメイトたちと一緒にプレーすべき点となる」
 縦をふさがれた末に左サイドから中へ誘導され、ドリブル突破というストロングポイントを封じられていると感じていた三笘も同じ思いを抱いていた。ブライトンの公式HP上で随時掲載されるインタビューで、さらなる成長への決意を込めて次のように語っていた。
「僕たちのシステムにおいて僕はしばしばインサイドでプレーするので、中盤での自分のプレーのクオリティーを向上させる必要があります。何よりも大切なのはより速い判断をすることとチームが得点を挙げること。ビルドアップの部分で最終ラインの選手たちは本当によくやっているので、攻撃陣は得点をあげてそれに応え、試合をより簡単にする必要があります」

 

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