全米メディアが大谷vsトラウトの夢対決を称賛…「地球上で最高の選手が9回のマウンドにいた」…同僚スーパースターは「1R目は彼が勝った」と完敗を認める
WBCの決勝が日本時間22日に米国マイアミのローンデポ・パークで行われ、日本が米国を3-2で下して14年ぶりの世界一に返り咲いた。全米を驚かせたのは「3番DH」でスタメン出場したエンゼルスの大谷翔平(28)が、日ハム時代の2016年以来となる異例の抑えとして9回に登板した優勝のシーン。米メディアは、最後に実現した同僚のマイク・トラウト(31)との夢対決にフォーカスした。
「すべての野球界の人々が切望してきた夢対決」
全米が夢のスーパースター対決に熱狂した。
米ESPNは「日本がWBCを制し、大谷が最後のアウトをトラウトから三振で奪う」との見出しを取り、このシーンをこうドラマチックに伝えた。
「夢の対決が実現した。9回。2アウト。1点差。地球上で最高の選手、大谷が日本のマウンドにいた。彼のチームメートで良き友人のトラウトが米国チームで打席に立った。フルカウントとなった。大谷は厳しいスライダーを解き放った。トラウトはそれを空振りした。そして、それとともに侍ジャパンがWBCを制した。緊迫し、不安感で一杯の試合は、物語のような終焉で、日本はローンデポ・パークの3万6058人の観客の前で米国に3-2で勝ち、WBCをパーフェクトで締めた。強力な米国の攻撃陣を制した日本が9回に『USA!』の掛け声を送る米国ファンの前で、2人のエンゼルスの選手同士による最高の対戦に勝利を収めた」
同メディアは今大会で投手として3試合に投げ2勝1S、打者として打率.435、1本塁打、9打点、出塁率.606の大谷の活躍を「大谷はメジャー5年のキャリアの間に打撃と投球の両方をやってきたように大会を通じてファンを魅了し続けた。WBCで大きな意味を持って試合に臨む楽しさは、大谷にとって隠しきれないものだった」と称賛。
試合前のクラブハウスで「今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて勝つことだけを考えていきましょう」と語りかけたことを紹介した上で「彼らのヒーローで活力源だった大谷を(歓喜で)飲み込み、東部時間午後10時43分に(日本は)頂点に辿り着いた。10分後、彼らは金メダルを受け取り、大谷が言ったように勝者となった」と記した。
ロサンゼルス・タイムズも、大谷とトラウトの対戦をこう書き出した。
「トラウトのこの夜の役割はいつもと同じで2番、センターだったが、大谷は違って謎めいていた。二刀流スターは、日本の指名打者として再び3番に入ったが、ブルペンから登板する機会が浮上していた。おそらくトラウトを相手にすることさえも。それは出来過ぎた話だった。そしてそれが日本のしびれる3-2の勝利の場面で起きた」
そして「ファン、リーグ関係者、テレビ業界幹部といった野球界の人々が切望してきた対戦がやってきた」という夢対戦を詳細に描写した。
「大谷はホームプレートを外れるスライダーから対戦を開始し1ボールとした。次の4球は速球。100マイル(約161キロ)、100マイル(約161キロ)、100マイル(約161キロ)、102マイル(約164キロ)と続け、トラウトは最初を空振り、2球目はボール、3球目を空振りし、4球目を見送ってフルカウントとなった。右腕(の大谷)は最初に投げたボールへと戻った。87マイル(約140キロ)のスライダー。今度の球は完璧に制球された。トラウトからはストライクぎりぎりに見える球筋だった。プレーオフでのキャリア打席数は15しかないが、確実に殿堂入りするア・リーグMVP3度受賞者(のトラウト)は空振りした。三振での試合終了。大谷はグラブと帽子をグラウンドに投げ、チームメートが彼のもとに殺到した」