「WBCでメジャー球団にインパクトを与えた日本の選手は4、5人」とした米メディアが注目した意外な選手の名前とは?
侍ジャパンが頂点に立ったWBCの興奮と反響が今なお収まらない。大会MVPに輝いたエンゼルスの大谷翔平(28)のような逸材を喉から手が出るほど欲しいメジャーの各球団からすればWBCは最高の品評会となったが、今季から吉田正尚(29)がプレーするレッドソックスの地元紙であるボストングローブ紙がメジャー球団にインパクトを与えた選手としてリストアップしたのは意外な選手の名前だった。
球界大御所も「準決、決勝で投げた投手は全員メジャーでやれる」
あの“球界大御所“がWBC直後にこう感想を漏らした。
「マイアミのスタジアムに陣取ったメジャーリーグのチームのスカウトは目を見張っただろう。これからアメリカに行く選手が増える。準決勝、決勝で投げた日本の選手は全員アメリカでやれるだろう」
巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏だ。
メジャー通で知られ、ロッテのGMだった1995年にはボビー・バレンタイン氏を監督に招聘した。
その広岡氏が「やれる」と太鼓判を押すのが、準決勝のメキシコ戦で先発した千葉ロッテの佐々木朗希、第2先発を任されたオリックスの山本由伸、中継ぎ登板した阪神の湯浅京己、巨人の大勢、決勝の米国戦に登板した横浜DeNAの今永昇太、巨人の戸郷翔征、中日の高橋宏斗、日ハムの伊藤大海の8人。さらにオリックスの宇田川優希の名前も加わった。
今オフに海外FA権を取得する投手は一人もいないが、ポスティングによる移籍をすでに球団に申し入れている投手は複数含まれており、今オフに海を渡る投手が出現する可能性は高い。
だが、日本時間26日に、米ボストングローブ紙が報じたのは意外な名前だった。同紙はWBCを総括する記事を掲載。その中で優勝した侍ジャパンについて触れ、「現時点でメジャーにインパクトをもたらした選手が、日本チームの中に4人から5人いた」と明かし、同記事を書いたピーター・アブラハム記者は、「私のお気に入り」として、西武の遊撃手の源田壮亮と千葉ロッテの佐々木朗希の2人の名前を挙げた。
「今年で30歳になる西武ライオンズのスター選手の源田は、日本で5度、ゴールデングラブ賞を受賞しているプレーヤーで、WBCでは、とてもスムーズにプレーしていた。素晴らしいグラブさばきで、すべての捕球位置から力強く正確な送球をしていた。右手の小指を骨折しながら、5試合に出場して攻守にわたって対処していた」
源田は1次ラウンドの韓国戦で帰塁した際に右手の小指を骨折。代替選手との入れ替えも検討されたが、小指をテーピング処置して出場を志願。チェコ戦、豪州戦とベンチを温めたが、準々決勝のイタリア戦でスタメン復帰し、準決勝のメキシコ戦、決勝の米国戦とフル出場した。大会成績は打率.250、2打点、5四球、2盗塁、出塁率.471だったが、同記者には、堅実な守備力と、つなぎ役としての活躍が目についたようだ。