「スペインのトップクラブは本当にKAMADAを必要としているのか?」…海外メディアはフランクフルト退団方向の鎌田大地の移籍問題に悲観的見解
アイントラハト・フランクフルトに所属する日本代表MF鎌田大地(26)が、今シーズン限りで退団する意向をクラブ側へ正式に伝えたと複数のドイツメディアが11日までに報じた。6月末で契約が満了する鎌田は違約金なしでの移籍が可能になり、興味を示すビッグクラブとしてバルセロナとアトレティコ・マドリードが浮上している。鎌田自身も来シーズンのスペイン行きを希望するとされるなかで、ドイツとスペインのメディアは懸念材料も伝えている。
ドイツメディアが退団を正式にクラブに伝えたと報道
念願のビッグクラブ移籍へ向けて、鎌田が正式に第一歩を踏み出した。
所属するフランクフルトとの契約を延長せず、満了を迎える6月末をもって退団する意向をクラブ側へ正式に伝えたと複数のドイツメディアが報じた。スポーツ専門放送局の『Sport1』は「両者がついに別々の道を歩む」と題した記事のなかでこう伝えている。
「鎌田はフランクフルトとの契約を延長せず、クラブを去る意向を先週末に伝えた。フランクフルト側はすでに契約延長のオファーを取り下げていたが、これですべての面で最終的に明確になった。鎌田が長く準備を進めてきた状況が、ようやく現実のものになる」
同メディアは鎌田に関して、昨夏の段階でポルトガルの強豪ベンフィカへの移籍がクラブ間で合意に達していたとも報じた。契約最終年の選手がプレーする状況を回避させたかったフランクフルトのスポーツディレクター、マルクス・クレーシェ氏の意向だったという。
しかし、夏の移籍期間が閉じる直前でベンフィカ行きは幻と消えた。フランクフルトのオリバー・グラスナー監督が、鎌田の残留を熱望したと同メディアは伝えている。
「グラスナー監督が個別に設けた話し合いの場で、先発陣のなかに居場所があると鎌田を説得してベンフィカへの移籍を翻意させた。そして残留が決まって以来、クレーシェはさまざまな選択肢を用意して鎌田との契約延長を求めてきた。しかし、鎌田はかなり早い段階から、今シーズンを戦い終えた後に次のステップへ進みたいという意思を固めていたようだ」
鎌田としてもシーズン中にカタールW杯が開催される状況下で、所属クラブを変えることで生じるデメリットを憂慮して残留を決めたのだろう。同時にサガン鳥栖から2017年夏に加入し、ベルギーのシントトロイデンへの期限付き移籍をはさんで、トータルで5シーズン目を迎えるフランクフルトからステップアップを果たすのも最後のチャンスととらえていた。
2021年夏には望んでいたビッグクラブへの移籍が実現しなかったと鎌田自身も明かしていた。同メディアはステップアップに関する鎌田のこんな言葉も伝えている。
「移籍したいクラブはありますが、みなさんが思っている以上に状況は厳しい」
状況とはヨーロッパの移籍市場で、何よりもまず若さが重要視される傾向を指している。8月には27歳になり、若手から中堅となって久しい鎌田だけに、契約満了をもって違約金が発生しない状況を迎えたうえで、希望するビッグクラブ移籍を実現させたかった。
鎌田が望む新天地として複数のドイツメディアがスペインと報じている。大衆紙の『Bild』も鎌田のフランクフルト退団決定を伝える記事のなかで、ラ・リーガを代表するビッグクラブ、バルセロナとアトレティコ・マドリードをあげながら懸念材料を記している。
「日本人選手の新天地はどこか。数週間前に想定されていたボルシア・ドルトムントは、いまでは移籍する可能性がますます低くなってきている。鎌田はドイツ国外のクラブを望んでいて、最近ではバルセロナとアトレティコ・マドリードが興味を示しているとも報じられた。しかし、トップクラブは本当に鎌田を必要としているのだろうか。この数週間、鎌田自身は調子を落としていて、直近ではベンチでキックオフを迎える試合も珍しくないからだ」