采配ズバリで巨人に連勝!…なぜ岡田監督は“サトテル”を外して渡邉諒のスタメン抜擢を決断したのか…気になる今後の起用法
“岡田マジック”がまた炸裂した。伝統のGT戦の“第3ラウンド”が13日、東京ドームで行われ、阪神が巨人に4-1で快勝、カードを2勝1敗で勝ち越した。阪神は打率1割台と不振の佐藤輝明(24)を2年ぶりにスタメンから外し、日ハムからトレードで獲得した渡邉諒(27)を「3番・三塁」で起用。その渡邉が移籍1号となる決勝アーチを含む攻守にわたる活躍で勝利に貢献するなど岡田彰布監督(65)の采配が冴えわたった。ただシーズンを考えると“サトテル“の復調は不可欠。相手投手との相性で、渡邉との併用で復調を模索するのか、それとも2軍での再調整で這い上がってくるのを待つのか。通算400勝をマークした岡田監督の今後の佐藤起用法にも注目が集まる。
抜擢した元日ハム戦士が決勝アーチ
岡田監督に迷いはなかった。
スターティングラインナップが発表されると東京ドームがざわめく。開幕11試合目にして、佐藤をスタメンから外して、日ハムからトレード移籍してきた渡邉を3番で起用、ノイジーを5番に置き、梅野を6番に上げるなど、打線を大胆にシャッフルした。
「昨日、今日と左が来るのはわかっていたんで(渡邉を先発で)いくつもりだった」
岡田監督に誤算があったとすれば、発熱で渡邉が、一度1軍を離れ、ファームで1試合の調整試合を消化せねばならなかったこと。左腕メンデスが先発した前日のゲームはチームには合流させたが登録はせず、この日、満を持して左腕の横川に対してスタメンで使った。
またしても岡田監督の勝負勘は冴えわたった。
5番のノイジーが2回に横川のカーブを捉えて2試合連続となる先制ソロ。先発の西純矢の制球が甘く2回に同点に追いつかれたが、1-1で迎えた4回に、先頭の渡邉のバットが火を噴く。カウント2-1からの高めに浮いたカットボールを強引に引っ張った。
「手ごたえは良かったんで入ってくれと思いながら走っていました」
打球はライナーでレフトスタンドへ飛び込んだ。
移籍初ヒットが決勝アーチ。
「本当に三振しかしてなかったので、何とかいいところで1本出てよかったです」
4月1、2日の横浜DeNAとの開幕カードで2試合続けて代打で起用されたが、いずれも三振に終わっていただけに渡邉もスタメン抜擢チャンスを逃すまいと集中していた。1回一死二塁で迎えた第1打席はレフトフライに終わったが9球粘った。そして、この打席は全球カットボール。渡邉は、打席に多く立てるスタメンの利点を最大限に生かして横川の変化球とのタイミングを摺り合わせていた。
渡邉の貢献は打つだけではなかった。
3点をリードした6回一死一、二塁で大城が逆方向へ快音を残した強烈なライナーをジャンプ一番、好捕したのだ。抜けていればビッグイニングにつながりかねなかった大ピンチを救ったのである。第1打席では、大城に三塁線を破る二塁打を打たれていたが、逆方向に打球が飛んで来ることを意識していたという。
「(2回に大城に)三塁線を抜かれたんですけど、打球方向などを確認しながらしっかりとポジショニングができたんで、ああいうプレーが生まれたかなと思います」
前日のゲームでは延長10回に佐藤が平凡な内野ゴロを一塁へ悪送球していた。佐藤も今季三塁でファインプレーを何度も披露しているが、昨日の今日では、なおさら渡邉の活躍が際立ったのである。