「ファンだから何でも選手に言っていいわけではない」阪神の青柳がSNS誹謗中傷被害を報告し法的措置を示唆…エスコバーら相次ぐSNS被害問題への対策はあるのか?
阪神の青柳晃洋(29)が21日に敵地で行われた中日戦後に自身の公式インスタグラムで複数の誹謗中傷コメントを寄せられている被害を報告し、違法な投稿に対して法的措置を取る可能性があることを示唆した。青柳は昨年もシーズン中にSNSによる誹謗中傷の被害を明かしていた。今月3日には横浜DeNAの横浜DeNAのエドウィン・エスコバー(31)も、自身のSNSに届いた誹謗中傷、脅迫とも取れるメッセージをツイッターで公開、球団も、誹謗中傷等の行為を控えるように緊急声明を出し対策として訴訟の可能性があることを明かしていた。NPBは開幕前に12球団、日本プロ野球選手会との連名でSNSでの誹謗中傷投稿に対して注意を喚起する声明を発表していたが、相次ぐ問題への具体的な対策が求められる。
中日戦での3回途中4失点KO後に届いた誹謗中傷
悲痛な訴えだった。
この日の中日戦で先発したものの制球が定まらず3回途中で4失点KOされ、今季2敗目を喫した青柳は、試合後に、自身の公式インスタグラムにダイレクトメッセージで届いた複数の誹謗中傷コメントをスクリーンショットで公開。「メッセージを送るのは自由ですけど訴えられてからグダグダ言わないで下さいね。アカウント消しても意味ないので」という言葉を添えて、今後、断固とした法的措置を取る考えがあることを示唆した。
青柳が公開した投稿の一部には、「ゴミ戦犯」「お前は負傷してシーズンを終えろ。病院でずっと過ごせ」「まず顔が不愉快です」(一部抜擢。原文ママ)などという明らかに青柳の名誉と心を傷つけて侮辱している違法性のあるものが含まれていた。ファンの叱咤激励の範疇を越えて、名誉棄損罪、侮辱罪に抵触する内容の投稿だ。
そして青柳は、インスタ・ストーリーの次のページに、こう自らのメッセージを掲載した。
「自分の不甲斐ない投球は自分が一番わかっています。ファンだからと言って何でも選手に言っていいわけではないです。ホントに応援してくれている方には不甲斐ない投球が続いてしまいチームにも楽しみに球場に来てくれた方にも申し訳なく思います!」
2試合連続のKOとなってしまったことをファンとチームに謝罪した上で、心ないメッセージに対するやりきれない怒りと悲しみをぶつけた。
阪神は14日に球団公式ツイッターで「球場での声出し応援が可能になっておりますが、観戦されるファンの皆様におかれましては『選手を誹謗中傷するようなヤジ』や『侮辱的な替え歌』は絶対にお止め頂きますようお願いいたします」と異例の声明を発信していた。
青柳は昨年8月にもSNSによる誹謗中傷被害があることを明かし、球団も「チームや選手への行き過ぎた誹謗中傷や、違法な投稿に対しては当球団として警察への届け出や法的措置を執る場合がございますので予めご了承下さい」と警告を発信していたが、水面下ではSNSによる“個人攻撃“が収まっていなかった。
今月3日には横浜DeNAのエスコバーが公式ツイッターに「昨日の試合後、この人が私を侮辱した」と書き込み、自身のSNSに届いた誹謗中傷メッセージのスクリーンショット画像を公開した。
そこには英語で「あなたの家族全員が自動車事故で死ぬだろう」「地獄に落ちろ黒い動物」などという家族への脅迫とも取れる文言や明らかな人種差別の言葉が書かれていた。
エスコバーは2日の阪神戦で8回から救援マウンドに立ち、島田海吏の打席途中で代打として送られた原口文仁にダメ押しの2ランを浴びていた。
エスコバーは「私をとても悩ませ、家族のことになれば非常に怒りを覚えます」と訴え、横浜DeNAサイドも球団の公式ツイッターにて「~SNS投稿へのお願い~」と題した緊急声明を発表し、防止対策として法的措置を取ることを示唆していた。