「藤浪晋太郎のメジャーでの成功は難しい」球界大御所が8失点KOで4連敗の元阪神投手に辛辣意見…指揮官はローテー起用の見直しに言及
アスレチックスの藤浪晋太郎(29)が22日(日本時間23日)、敵地アーリントンでのレンジャーズ戦に先発したが、3回途中で4四死球7安打8失点でKO、試合も3-18で大敗しデビューから屈辱の4連敗を喫した。自責点は24で防御率は14.40となり、先発ローテーション剥奪の危機に瀕しているが、巨人OBで元ヤクルト、西武監督の広岡達朗氏は「阪神時代の悪いクセが何も変わっていない。メジャーでの成功は難しい」と辛辣な意見を述べた。藤浪はメジャーで生き残れるのか。
最速161キロも「ストレートでストライクが取れない」
突如としてコントロールが定まらなくなるのは、阪神時代を知るファンからすれば見慣れた姿だが、大金をはたいて獲得したア軍のベンチからすればたまったものではない。
メジャー4戦目の先発マウンドに立った藤浪が、ア・リーグ西地区の首位を走るレンジャーズ打線に木っ端みじんにされた。1回に2点の援護をもらったが、その裏の立ち上がりに先頭打者のセミエンに四球。遊ゴロ、三振で二死をとった後、4番に座る元巨人のガルシアに、初球に投じたど真ん中のスライダーをレフトスタンドに運ばれた。
同点にされると続く2回に炎上した。暴投などで走者に進まれてから簡単に勝ち越しを許し二死一、二塁から、ガルシアに死球を与えた。ガルシアにマウンドに歩み寄られ、球審が制するという一触即発の不穏な空気に。結局、この回、5本の長短打を浴びて5失点。さらに3回には、先頭のJ・スミスに四球を与え、続くタベラスの打席での暴投などで一死三塁となったところで球数も72球に達し降板を告げられた。
「悪い1日だった。ストレートをストライクゾーンにしっかり投げられなかった」
MLB公式サイトによると藤浪はそうコメントを残した。最速は161キロをマークしたが、72球のうちストライクは42球しかなかった。
マーク・コッツェイ監督は「フジは、ストレートに自信を持っていなかった。ストレートでストライクが取れずにスプリットに頼ったが、それが甘くなるとレンジャーズ打線には通用しない」と、藤浪の炎上理由を分析。今後の起用については、「少し時間が欲しい。もう一度評価し直す。それを決めるのは今日ではない」と、次回の先発登板が白紙になったことを明かした。前回15日のメッツ戦は6回0/3を4安打3失点にまとめて敗れはしたものの評価は上がっていた。それが一転、立場が危うくなった。
チームは借金13で西地区最下位。アスレチックスの先発防御率は、8.97と最悪で、米メディアのSBネイションによると、藤浪の中6日登板と、早期KOが続き、わずか15イニングしか消化していないことが「投手陣の負担になっている」という。
米メディアからも厳しい意見が飛び交うが、ロッテのGM時代にボビー・バレンタイン監督を招聘するなどメジャーの野球に詳しい球界大御所の広岡氏は、「藤浪は何も変わっていない。メジャーで成功するのは難しいだろう」という辛辣な見解を述べた。