不発に終わった岡田阪神の「2番梅野」は間違っていたのか…勝敗分けた島田と佐藤の記録に残らなかった2つのミス
阪神が26日、甲子園球場で行われた巨人戦に4-8で敗れた。岡田彰布監督(65)は打率0割台の不振に悩む梅野隆太郎(31)を2番に置く大胆な策を打ったが不発に終わり、0-5から一時は、1点差に追い詰めながらも長野久義(38)に代打3ランを浴びて結果的に大差負けとなった。“守りの野球”が、岡田野球の神髄だが、ライトの島田海吏(27)と今季初本塁打を放ったサード佐藤輝明(24)の記録に残らなかった2つのミスが響いた。
2度の好機に併殺打と三振
スターティングラインナップが発表されると甲子園球場がざわめいた。岡田監督が20試合目にして初めて近本、中野の1、2番コンビを解体し、試合前の時点で打率.102と低迷していた梅野を2番に起用、1番近本、3番中野、5番ノイジー、6番佐藤という大胆な打線改造を行ったのである。
梅野の2番起用は、2020年9月11日からの対広島、巨人の6試合以来、3年ぶりである。ちなみに、この間、阪神は広島に3連勝したが、9月15日の巨人戦では、2点を追う7回無死一、二塁から当時の矢野監督が梅野にバスターエンドランのサインを出して失敗するなどして巨人にマジック点灯を許している。
「調子が悪い打者にチャンスが回ってくる」は、チーム状態が悪いときの“サイン”として岡田監督が、常々語っている独自理論だが、この日も、2番の梅野に2度、チャンスが回ってきた。
0-5で迎えた5回。佐藤の今季75打席目に飛び出した右越えの豪快な今季初本塁打が火をつけて、そこから島田、木浪、代打・渡邉、近本の4連打が続き、3得点。さらに無死一、三塁で、梅野に打席が回ってきたが、ドンつまりのセカンドゴロでダブルプレーに終わる。その間に1点が入り、最低限の仕事を果たし1点差に迫ったが、押せ押せムードの勢いを切ってしまった。本来なら一気に同点までチャンスを広げて戸郷をマウンドから引きずり下ろしておきたかった場面だ。
さらに7回にも一死一、二塁の同点機で梅野に打順が回ってきたが、左腕の大江が外角に投じた“クソボール”に手を出して空振りの三振に倒れ、打率は、ついに.094まで下がった。続く中野の打球は一、二塁間を襲ったが、中田の好守に阻まれた。
ゲームの終盤に左腕が投入されることを岡田監督は見越していた。近本、中野の間に梅野を挟んだ起用が、はまったわけだが、体の開きが極端に早く、トップが作れずボールの見極めができていない。5回は右方向へおっつけようとしていたが、開くので、バットのヘッドの出も遅れてタイミングを取れなかった。もちろん7回に「代打・原口」の選択肢もあっただろう。だが、岡田監督は、梅野を2番起用した狙いを貫いた。
スポーツ各紙の報道によると岡田監督は、2番梅野の意図を「右打ちやバントとかもできる」「(終盤に)左(投手)が9番のピッチャーのところでも来るから(調子のいい近本と中野の)間に入れといたら、ちょうど当たる」と説明したという。