挑戦2年目となる栃木のティモンディ高岸は“プロ”で通用するまでに進化しているのか…今季2度目の登板で最速136km1回2失点
プロ野球の独立リーグ、ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに所属する人気お笑いコンビ、ティモンディの高岸宏行(30)が、今季2度目の登板で課題と成長の証を示した。30日に小山運動公園野球場で行われた茨城アストロプラネッツ戦の6回に登板した高岸は、1イニングを2安打2四球と乱れ、味方のエラーもあって2失点(自責点1)を喫した。それでも、千葉ロッテなどで活躍した成瀬善久投手兼ヘッドコーチ(37)は「昨年に比べたら悪くない」と及第点を与えた。なお試合は栃木が11-4で快勝した。
元千葉ロッテの成瀬ヘッドの評価は?
SMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」が雨の小山運動公園野球場に流れ、2番手の高岸が6回のマウンドに向かうと大きな拍手が起きた。あいにくの悪天候にもかかわらず集まった観客は1241人。他の2会場より桁がひとつ多い。間違いなく挑戦2年目となる高岸目当てのファンだ。
しかし、高岸は、その期待と注目に応えられなかった。
栃木の1番・瀧上晶太にライト前へ、2番・上田政宗にはこの試合最速の136kmの直球をレフト前へ弾き返されて無死一、二塁のピンチを招く。3番・ハンソンの3球目には重盗を仕掛けられ、捕手・清水武蔵の三塁悪送球が重なって瞬く間に1点を返された。
さらにハンソンを四球で歩かせる。しかし、4番・土田佳武が放った強烈なゴロを、一塁の佐々木斗夢が好捕。一塁でアウトにする間に1点こそ失ったものの、第1打席でセンターへソロアーチを放っていた5番・石垣杜心を三塁ゴロに打ち取った。
もっとも、いきなり食らった連打よりも、続く6番・エルナンデスに四球を与え、二死一、三塁としたピッチングを、高岸は試合後に応じた取材で悔やんでいる。
「(連打は)僕もストライクが欲しい、というカウントにしてしまったところがありましたけど、それでもストレートをしっかりとらえてきた。いいバッターだと思いましたし、僕自身、逆にすごく元気をもらいました。ただ、僕は応援人なので、やはりハンソン選手とエルナンデス選手に四球を与えたのはもったいない。野球を楽しみに見に来てくださった方のためにも、勝負球を投げ込めなかったところは改善しなければいけないと思っています」
7番・益子侑也にもボールが3つ続いたが、そこから威力のある135kmの直球を2球続け、平凡なセカンドフライに仕留めて27球でピンチを脱した。
この日、先発して5回を1失点に抑え、今季初登板で初勝利をあげた成瀬は、ヘッドコーチ兼任プレーヤー。NPBの千葉ロッテとヤクルト、オリックスで通算96勝をマークした先輩投手の視点から、益子を打ち取った高岸の直球に「あれを常時投げられるようになれば。楽しみしかないです」と目を細めた。
「スピード自体は、まだまだ出るのかなと思う反面、バッターに向かってしっかりと投げられている部分では、昨年よりもいいと思っています。僕も1点を失いましたけど、相手バッターがバットを持っている以上、抑えるときもあれば打たれるときもある。ただ、この球を投げたい、この場面ではこうしたいと思うなかで、自分をコントロールできているかどうかという点で、昨年よりも成長していますよね。あとはプラスアルファとして、昨年は投げ込みをほとんどしていなかったので、体がついてこなかった、というのが正直なところだったと思っています」