「デビュー戦でサイヤング賞の力を誇示」海外メディアも横浜DeNAバウアーの初登板初勝利に注目…「メジャー復帰の可能性がある才能」
横浜DeNAに入団したサイヤング賞投手のトレバー・バウアー(32)が3日、史上最多の観客を集めた横浜スタジアムでの広島戦で先発デビュー、7回98球を投げ、7安打1失点、毎回の9奪三振の好投を見せて来日初勝利を手にした。DV問題などでMLB機構から出場停止処分を受けてドジャースを解雇され、メジャー球団と契約できなかった超大物バウアーの日本での復帰戦に海外メディアも注目した。
「ファンに温かく迎えられる」
「ヨコハマしか勝たん」
史上最多の観客動員数を更新した3万3202人で埋まったハマスタでのヒーローインタビューに指名されたバウアーは日本語で第1声。ファンの大歓声で迎えられた。
デビュー戦で初勝利。7回を投げて、7安打されたが、失点は、2回にレッズ時代の同僚のデビッドソンに152キロのストレートをレフトスタンドの中段にまで運ばれたソロアーチの1点のみ。ストレートは最速155キロをマーク。打順がふた廻りした3回からは、多彩な変化球主体のピッチングに切り替え、カープ打線を牛耳った。
毎回の9奪三振。テンポや強弱が素晴らしく、2020年のサイヤング賞投手らしさを存分にアピール。打線もバウアーをバックアップして4点を奪う逆転劇を演じて4-1のスコアで初白星を手にした。
「感触はすごくよかった。体の状態もよかったし、投げているボール、コントロール、球の強さ、すべてが良かった」
笑顔が弾けた。
AP通信やスポーツイラストレイテッドなど海外から派遣された記者の姿も現場にあり、海外メディアもバウアーの復活勝利を大きく報道した。
フォックススポーツやESPNなど主要メディアはAP通信の記事を引用して報道。USAトゥデイ紙は「日本でバウアーが初登板で勝利を収め、心地よいファンたちに温かく迎えられる」との見出しを取り、「ドジャースに再び加わるか、他のメジャー球団でプレーする資格を持っていた不祥事を起こした投手は、その1か月後に、彼の投球の才能を喜んで受け入れてくれる観客を見つけ出した」とバウアーのデビュー戦初勝利を伝えた。
同紙は「32歳のバウアーは、広島カープを相手に7回で9三振を奪い、レッズでチームメートだったデビッドソンに本塁打を許しただけで、いつも通りの優れた先発登板を披露した」と登板内容を評価。
横浜駅前にある高島屋の壁面に高さ約22mの巨大な垂れ幕が飾られ、最寄りの関内駅などに広告ポスターが並んだ歓迎の様子を伝え「3万3202人の観客から声援を受けた」と続けた。
また「バウアーが米国本土でこれほど畏敬の念を集めたことはなく、彼の振る舞いによって、彼はドジャースで投げる前からファンに忌み嫌われていた。バウアーは2021年2月にドジャースと3年1億200万ドル(約138億円)の契約を結んだがファンに拒絶反応を示された。ロスに到着する前に、その当時の学生への嫌がらせを含めたオンライン上でのバウアーの攻撃的で、そして女性軽視の振る舞いが問題になっていた」などと記し、女性へのDV問題から、2022年4月にMLBから324試合の出場停止処分を科された(のちに194試合に軽減)経緯などが紹介された。