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「虎のドラマチック“7”」が8連勝で首位独走する岡田阪神の好調理由…勝利試合のイニング別得点数で7回が最多の「22」

 阪神が28日、甲子園で行われた巨人戦に4-1で勝利、連勝を今季最多の8に伸ばして貯金「17」で明日30日からの交流戦を迎えることになった。3タテを食らわせた巨人には3戦続けて7回に勝ち越し点を奪った。今季のイニング別の得点数を見てみるとトータルでは5回の25点が最多だが、勝ちゲームでは7回が22点で最多となっている。つまりラッキーセブンを制しているのが好調の理由。その背景には岡田彰布監督(65)の独自理論があった。

 ノイジーが「ドラマチック7」に決勝タイムリー

 

 「勝った、勝った、また勝った」
 連日超満員の甲子園が最高潮の盛り上がりを見せる。
 4-1のスコアで巨人を突き放して1936年当時のオールドユニホームで両チームが戦った伝統のTG戦シリーズで3連勝。
 連勝は8に伸び、お立ち台に指名された8回二死まで1失点に抑えて勝ち投手となった才木と、7回に決勝タイムリーを放ったノイジーが互いに「アイラブユー」と呼びかけて場内を大爆笑に包んだ。
 またドラマが起きる7回にゲームが動いた。
 巨人先発の育成ドラフト1位の松井から、ミエセスがオープン戦でタイミングが合っていたことが印象に残っていた岡田監督は、6番で先発起用して、4回に先制の3号ソロを放った。だが、力投を続けていた才木が7回に秋広にインローに曲げたカットボールをライトスタンドに運ばれ1-1の同点になっていた。
 7回は8番の木浪から。岡田監督は「絶対に塁に出ろ!」とハッパをかけた。
 才木の球数は100球を超えていたが、岡田監督は続投の腹を固め、才木本人も「行きたい」と志願していた。それでも木浪が倒れれば才木に白星をつける可能性が低くなる。
 木浪は、7回1失点の才木に白星を送るために指揮官のハッパに応えた。センター前ヒットで出塁したのだ。続く才木は当然バント。だが、ここで巨人にミスが出る。才木がバントした打球は、大城のすぐ前に転がってしまったのだが、二塁への送球が大きく上へそれ、ジャンプした坂本のグラブも届かない。難なく無死一、二塁の好機をつかみ、得点圏打率の高い近本、中野の1、2番に回すことに成功したのだ。
 原監督は2番手の田中千から左腕の高梨にスイッチした。近本はライトフライに倒れたが、中野が四球を選び満塁とした。巨人ベンチはノイジーを迎えて前横浜DeNAの三上に交代したが、「ランナーを返すだけ。自分の仕事をするだけだった」というノイジーは、構えたミットよりボールひとつストライクゾーンに入ってきた外角のスライダーを見逃さなかった。三上の足元を襲った打球は勝ち越しタイムリーとなってセンター前へ抜けていった。さらに大山もレフト線に2点タイムリー。才木は8回二死で降板となったが、岩貞、そして湯浅とつなぎ3点のリードを守りきった。
 巨人の3戦はいずれも7回に決勝点を奪った。
 実は、今季のイニング別の得点データを調べると、リーグトップの全189得点中、最多得点が5回の25点、そして2番目に多いのが7回の23点。しかし、勝利ゲームで見てみると、7回が22点で最多となっているのだ。2番目が3回、8回の20点である。
 もちろん防御率2.64の投手陣の頑張りが、5月に18勝4敗で貯金を「17」に増やした好調の最大の理由だが、「7回の虎」があるからこそ、好守が噛み合っているのだ。
 スポーツ各紙の報道によると、岡田監督は、巨人3連戦で7回に集中打が出て決勝点を奪った理由をこう分析したという。
「点を入れているのは(代わった)ブルペンピッチャー(から)ばっかり。そのへん(7回)で先発も疲れてくる。ブルペン陣も、勝ちパターンでそんないいピッチャーは、7回にはいけない。だから7回にそういう何か起きるんじゃないか」
 7回最重要説は岡田監督の持論だ。

 

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