「失格を求め笑っていたブズコバが3年前のスポーツマンシップ賞の受賞者だって?」加藤組の全仏OP“ボールガール直撃失格問題”を巡っての世界的な批判“炎上”収まらず
テニスの全仏オープンの女子ダブルス3回戦で、日本の加藤未唯(28、ザイマックス)、アルディラ・スーチャディ(28、インドネシア)組が、マリエ・ブズコバ(24、チェコ)、サラ・ソリベストルモ(26、スペイン)組と対戦した際に、加藤がボールガールにボールをぶつけてしまい失格となった問題の波紋が収まらない。加藤はSNSで謝罪したが、審判に失格を訴えた相手ペアの態度を非難する声や、審判の裁定そのものを批判する意見が世界中のテニス関係者やファンから相次ぎ、賛否両論が飛び交い炎上する騒ぎとなっている。また加藤は5日(日本時間6日)ティム・プッツ(35、ドイツ)と組んだ混合ダブルスで準決勝進出を決めファンの温かい歓声に涙した。
「馬鹿げた決定。審判団の酷い裁定だ」
“ボールガール直撃失格”の波紋は一夜明けても収まらない。世界中のメディアやテニス関係者が、この問題についての意見を相次いで発信。多くの非難の声は、ボールガールへボールをぶつけて泣かせ、失格となった加藤ではなく、一度警告が与えられた後に、その裁定に納得せず、執拗な抗議で失格を訴えて、処分の変更と勝利を勝ち取った対戦相手のブズコバとソリベストルモへ向けられることになった。
米ワシントンポスト紙は、対戦相手のスポーツマンシップの問題についても触れ、「複数の関係者たちは、ブズコバとソリべストルモが、相手に対して厳しい処分を審判に主張したことを醜いスポーツマンシップと捉え、彼女たちが批判の対象となった」と伝え、テニス評論家で元WTA選手のパム・シュライバー氏の意見を紹介した。
ブズコバが、2020年にWTAから最もスポーツマンシップにのっとってプレーした選手に贈られる「カレン・クランツキー賞」を受賞していることを紹介した上で「その賞が『この日の出来事』でブズコバにとって最後のものになるのでは」とツイートしている。
オーストラリアのスポーツ専門局Wide World of Sportsは「ボールガールが涙を流した失格劇の中で、ダブルスペアが醜いスポーツマンシップで批判を浴びる」との見出しを取り、失格を主張したブズコバとソリベストルモの態度を批判。元テニスプレーヤーや評論家の声を集めた。
「加藤とスーチャディが最終的に失格処分となった後に、(2人が)笑っていたシーンがカメラに映ったことに対して、元男子シングルス6位のジル・シモン氏が、嫌悪感をあらわにした」
そのシモン氏は、「ボールがどこに送られたかも見ていないのに相手チームの失格を主張するとは。彼女らは、この夜、睡眠を取るのに少しばかり苦労するだろう。そして(審判団の)判断が最も馬鹿げている」とツイート。
米国のテニス評論家であるリッキー・ダイモン氏は、さらに批判を強め、「どうすれば、これが失格になるんだ?ソリベストルモとブズコバが相手を失格させるための抗議をしたのであれば、彼女らも、またこの大会の残りでプレーすることを禁じられるべきだ」と、2人の追放処分をSNSで求めている。
また同じくテニス評論家のクリス・ゴールドスミス氏は「ブズコバとソリべストルモは恥を知り、頭を抱えるべきだ。(彼女らは)WTAのロッカールームでは、心よく受け止められないだろう」と厳しい声を発信した。
インドのスポーツサイトSportskeedaも「馬鹿げた決定。審判団によるひどい判定」という見出しを取り、警告から失格に処分を変更した審判団を批判する声を集めた。
過去五輪に3大会連続でフランス代表で出場している33歳のベテランのアリーゼ・コルネは、「クレイジーな決断だ。私はあなた(加藤)を本当に気の毒に思います、そして多くのプレーヤー(明らかにマリーとサラを除いて)は、あなたをサポートしています」とメッセージを伝えた。