「6年前獲得に動いたがここまですべてをやるとは予測できなかった」大谷翔平にマルチ＆全打席出塁＆10盗塁目と大暴れされて連敗の名将ボウチーが嘆く

　エンゼルスの大谷翔平（28）が13日（日本時間14日）、敵地のレンジャーズ戦に「2番・DH」で出場、5打席立ったが、2安打、敬遠を含む3四球と全打席で出塁を果たして2得点をマーク。チームの7－3勝利に貢献した。9回に今季10個目となる盗塁も決め、日本人として5人目となる3年連続2桁盗塁もクリア。エンゼルスに4.5ゲーム差と迫られたア・リーグ西地区首位レンジャーズのブルース・ボウチー監督（68）は「信じられない才能」と絶賛。獲得に乗り出していた6年前のジャイアンツ監督時代に大谷の才能を見抜けなかったことを後悔した。

　「信じられないような素晴らしい才能」

首位のレンジャーズを震え上がらせる“大谷劇場”の第2幕は、二塁打から始まった。
　1回一死走者無しで迎えた第1打席。メジャー昇格して今季3度目の先発となるレンジャーズの左腕コディ・ブラッドフォードが投じたチェンジアップを引っ張りライト線を破った。得点にはつながらなかったが、これで10試合連続ヒット。前日の19号＆20号に続く、バットスイングの鋭さにレンジャーズバッテリーは警戒心を強め、3回の第2打席は、四球で歩かされた。
　1－3の2点ビハインドで迎えた6回には一死走者無しからセカンドの左をゴロで抜くヒットで出塁。一、二塁となって、二塁走者の大谷は、併殺を狙った相手内野守備陣の乱れを見逃さない好走塁で本塁を陥れ、このイニングでの逆転劇を演出した。
　7回には、二死二、三塁で申告敬遠。9回の第5打席も四球で歩かされ、全打席出塁を果たすと盗塁を仕掛けた。リプレー検証になったが、結果は当初の判定通りのセーフで、今季10個目の盗塁に成功。3年連続の2桁盗塁をクリアした。
　連夜の“大谷劇場”を見せつけられて連敗を喫したワールドシリーズ3度制覇の“名将”ボウチー監督の嘆きを記事にしたのが、米スポーツサイトの「ファン・ネーション」だ。
　同サイトによると、ボウチー監督は、大谷をこんな言葉で称賛したという。
「彼が、こんなにもすべてをやってのけるとは正直わからなかった。彼が今やっていること…それはすなわち素晴らしい投手であり、打撃であり、スピードであり、盗塁であり…すべてだ。私は（サンフランシスコ・ジャイアンツへ）彼を引き入れようとしていたから、彼がメジャーに挑戦する際のことを覚えている。その時、私は彼が二刀流として成功するかどうかわからなかった。だが、彼は今それをやってのけている。信じられないような素晴らしい才能だ」
　大谷が日ハムからポスティングでのメジャー移籍手続きを踏んだ2017年のオフに、当時ボウチー氏が監督を務めていたジャイアンツも獲得交渉に乗り出していた。
　同サイトによると「大谷がメジャーリーグにやって来ることを決断しようとした時にボウチー監督も彼に注目している1人だった。しかし、彼でさえ、ここまで大谷が成功するとを予測できていなかった」という。
　その二刀流の活躍を目の当たりにして、今、名将が思うことは、後悔の念と、自らの予測さえ覆した大谷の才能なのだろう。