「左打者の逆方向本塁打の歴史を塗り替える」米メディアが大谷翔平21号2ランの打球速度186.8キロがメジャー最速記録を更新したことを伝える
エンゼルスの大谷翔平(28)が14日(日本時間15日)、敵地のグローブライフフィールドでのレンジャーズ戦に「2番・DH」で出場し、2試合ぶりとなる21号2ランを放ち、本塁打争いで、ヤンキースのアーロン・ジャッジ(31)と2本差をつけた。米メディアが「野球の歴史を塗り替える」と報じたのは、116.1マイル(約186.8キロ)を示した21号の打球速度が、左打者の反対方向への本塁打として史上最速記録を更新したこと。11試合連続安打で、6月の打率.436、6本塁打と絶好調の大谷は、どこまで数字を伸ばすのか。なおエンゼルスは3-6で敗れて、3連勝を逃しア・リーグ西地区首位レンジャーズとのゲーム差は再び5.5となった。
「どれだけアッと言わせるのか」
敵地のファンをまた震撼させた。
1-6と敗色濃厚で迎えた9回一死二塁。5点差にもかかわらず名将のブルース・ボウチー監督がマウンドに送りだした“守護神”の左腕ウィル・スミスが2球目に投じた94.1マイル(151.4キロ)のフォーシームだった。内角に甘めに入った、それを大谷が逆方向へ振り抜く。大谷は、確信歩きから、ポーンとバットを放り投げた。物凄い打球が、左中間スタンドの2階席の中段まで飛んでいった。一矢は報いたが、ゲームをひっくり返すまでに至らなかった一撃に大谷には笑顔はなく、ベンチでの兜セレブレーションもなかった。スタジアムには驚きの声と拍手にブーイングが交錯していた。
実は、この2試合ぶりとなる21号2ランは、メジャーリーグの歴史を塗り替える記録的な一撃だった。
MLB公式サイトによると、打球速度116.1マイル(約186.8キロ)、飛距離453フィート(約138.1メートル)を示した一発は、2015年にスタットキャストによるデータが取られるようになってから、左打者の逆方向の本塁打として史上最速記録となった。
同サイトは「大谷が左打者による最も強烈な反対方向への本塁打を放つ」との見出しを取って記録を紹介。
「大谷は、どれだけのやり方で我々をアッと言わせるのだろうか。その回数を数えることはできるかもしれないが、我々は、彼にいつも及ばないことから、おそらく無駄な行為となるだろう」と伝えた。
同サイトによると、これまでの左打者の流し打ちによる本塁打の最速記録は、2017年9月25日にレンジャーズのジョーイ・ギャロの113マイル(約181.9キロ)で、偶然にも、この一発も、レンジャーズの元本拠地であるグローブライフパークで記録された。
また右打者も含めた流し打ちの本塁打の最速記録は、ヤンキースの“強打者”ジャンカルロ・スタントンが、2018年の開幕戦となる敵地ロジャースセンターでのブルージェイズ戦で、右中間へ放った2ランで、その打球速度は117.3マイル(約188.8キロ)。これはスタントンのヤンキース移籍第1号だった。
同サイトは、大谷が2日前のレンジャーズ戦で19号&20号を放っていたことに触れ、「このセンセーショナルなライナーの一発は、今回のレンジャーズとのシリーズにおいて反対方向に2本目、計3本目の本塁打だった。彼は9-6で勝利した月曜日夜に2本塁打を放ち、7回には、センターへ459フィート(約139.9メートル)、5-5の同点で延長12回に左中間へ打った2ランは、388フィート(約118.3メートル)のライナー性の一発だった」と改めて紹介した。