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横浜DeNAの三浦監督は自らマウンドに行き交替を告げた
横浜DeNAの三浦監督は自らマウンドに行き交替を告げた

「最後まで戦えたことが財産に。チーム力がついた」横浜DeNA三浦監督が日ハムに延長で敗れ交流戦初Vが持ち越しになっても手ごたえを感じた理由とは?

 勝つか引き分けで初の交流戦優勝の決まる横浜DeNAが19日、横浜スタジアムでの日ハム戦に延長の末、3―4で敗れて優勝の行方は20日以降へ持ち越しとなった。日ハムに先制を許したが同点に追いつき、7回に佐野恵太(28)の2点タイムリーで勝ち越しに成功したが、2点のリードを伊勢大夢(25)が守れず、延長10回に“守護神”の山崎康晃(30)が、万波中正(23)に決勝の13号ソロを浴びた。それでも1点差負けだったため11勝7敗で並んだソフトバンクをTQB(得点/攻撃イニング)-(失点/守備イニング)で上回り、暫定1位をキープ。2試合を残す楽天が20日のヤクルト戦、21日の中日戦に連勝し、しかも、計30点差以上をつけなげれば逆転できないため、横浜DeNAの交流戦初優勝が濃厚となった。

 守護神のヤスアキが痛恨の一発を浴びる

 

 日ハムファンが待つレフトスタンドへ一直線で伸びる打球の行方をハマの守護神が呆然と見送った。
 3-3の同点で迎えた延長10回。一死から山崎はキレのないスプリットを万波にフルスイングで引っ張られた。13号の決勝ソロ。 
 横浜高出身でハマスタをよく知る日ハムの4番は、「青春を捧げた場所。あの頃に帰った気持ちでプレーした。打った瞬間、間違いなく入ると思って、かみしめながらベースを一周した」という。
 月曜日のナイターだというのに3万2056人のファンで埋まったハマスタは、その裏も、再逆襲を期待した大声援に包まれたが、日ハム7番手の玉井の前に無失点に抑えられてゲームセット。異様な静けさがスタジアムを支配した。
 交流戦初優勝を自力では決められなかった。
 ただ1点差負けだったためTQBでソフトバンクを上回り暫定1位をキープ。楽天が20日のヤクルト戦、21日の中日戦に連勝し、30点差以上をつけない限りには、初優勝を手にすることができ、ほぼ初栄冠は手中にあると言っていい。
 三浦監督はインタビュースペースで複雑な表情を浮かべた。
「全員がね。食らいついたが、勝ちきれなかった」
 優勝のかかった大一番に“番長采配”はズバズバと決まった。
 先発マウンドに「最初から1イニングのつもりで全力で行け」と上茶谷を送り出した。半ばオープナーのような起用だったが、上茶谷は、1回、2回と走者を出しながらも踏ん張り、4回には一死から万波にレフト線を破られるも、二塁で封殺するなど、バックの好守備にも助けられ4回を無失点に抑えた。
 三浦監督も「十分な働きをしてくれた」と合格点を与えた。
 5回から2番手で起用した三嶋が誤算で、先頭のハンソンに先制本塁打を浴びた。さらに谷内の少し風で流された平凡なキャッチャーフライを山本がまさかの落球。細川にヒットでつながれ、投手の上原にはバントを続けてファウルにさせたが、バスターに切り替えられて、センター前ヒット。無死満塁のピンチを迎えると、三浦監督は、自らマウンドに向かい、前日のロッテ戦で好投していた森原にスイッチした。森原の球威と、楽天時代の日ハムとの対戦経験にかけた、この継投がはまった。森原は、清宮にファウルで粘られながらも、低めに投じた149キロのストレートで攻め、セカンドの頭上に飛んだライナーを牧がジャンプ一番好捕。飛び出した走者を刺して併殺打に打ち取った。続く昨季の首位打者の松本にも裏をかくストレートをズバっと決めて見送りの三振。大ピンチを切り抜けたのである。
 「森原が、あの場面で追加点を与えず切り抜けたからこそ、次につながった」
 三浦監督が、そう振り返る通り、森原の気迫の11球が同点劇を呼ぶ。

 

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