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阪神は大幅に打線を入れ替えてバウアーに挑んだが、3-5で敗れて今季初の5連敗で首位を陥落した
阪神は大幅に打線を入れ替えてバウアーに挑んだが、3-5で敗れて今季初の5連敗で首位を陥落した

首位陥落の阪神の岡田監督は本当に激怒していたのか…横浜DeNAに3タテを許した理由…誤算だった「孫子の兵法」と“番長野球”

 阪神が25日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦に3―5で敗れて今季初の5連敗を喫して0.5差で、5月12日以来、44日ぶりの首位陥落となった。先発の才木浩人(24)が、7安打4失点で5回降板して4敗目。打線を大きく入れ替えて、トレバー・バウアー(32)から3点を奪うも最後までゲームの主導権を握れなかった。同一カード3連敗も今季初で、昨年から続いているレギュラーシーズンのハマスタでの不名誉な連敗記録は「13」に伸びることになった。

 岡田監督が取材を拒否してタクシーに乗り込む

 

 憤慨でも怒りでもない。
 岡田監督は、試合後の囲み会見には応じず、帰阪するため、球場内で着替えを済ませると、関係者出口にタクシーを横づけにして、足を止めることなく後部座席に乗り込んだ。
「何回、言うてんの…」
 わずかにその一言だけが聞こえた。
 ドアが閉まるまで、スポーツ各紙のトラ番キャップたちが、質問を投げかけたが、岡田監督はずっと窓の外を見ていた。
 関係者によると何も初の同一カード3連敗で首位から陥落したことに激怒して、会見を“拒否”したわけではなく首位攻防戦を前にして出た記事に対して不信感を抱いて口を閉ざしているとのこと。
 岡田監督は、現状のチーム状態で首位をキープすることが難しいことも、長丁場のペナントレースで今首位でいることに、それほど大きな意味がないことを承知している。首位陥落に激怒しての会見拒否ではないのだ。

 打線を緊急改造した。
 本来であれば、来日以来、7試合連続被弾を続けていたバウアーには、一発のある佐藤を打線に残したかったのだろうが、前日の試合後に2軍落ちを通告。この日は、ウエスタンの中日戦に出場していた。その三塁には、糸原を入れ、1、2番の近本、中野の打順を入れ替え、初めてライト前川、レフト森下の布陣を組み、前川を3番、森下を6番で起用した。
 新打線は機能しかけた。
 5回だ。二死二塁から中野が四球を選び、第1打席にボール球に手を出して三振していた前川が、バウアーのスプリットチェンジをライト前へ引っ張った。1点を返し、続く大山もスライダーに食らいつく。レフト、センター、ショートの間にある“魔のトライアングル”へのポテンヒットで、2点目を奪い、2-3と1点差に詰め寄った。
 2-5で迎えた7回には、代打ノイジー、中野の連打で一、三塁として、近本の内野ゴロの間に1点。続く前川が四球を選び、バウアーをようやくマウンドからひきずり下ろした。二死から糸原も四球を選び、2番手のウェンデルケンから、一打同点、長打で逆転の満塁チャンスを作る。しかし、ここでルーキー森下に“若さ”が出た。
 積極的にスイングを仕掛け、見送ればボールの初球の変化球に空振りした。2球目は、甘くきたが、今度は見送り。最後は、アウトコースのストレートに手を出さなかった。打席で飛び上がって悔しがっていたが、追い込まれていた以上、食らいついていかねばならなかった。岡田監督が、いつも言うが、3回に1本ヒットを打てば大打者。凡打するのは仕方ないが、前にボールを飛ばさなければ、何も起こらない。凡打の中身が悪すぎたのである。
 展開的にはロースコアのゲームをエース才木で逃げ切るしかなかった。
 だが、その才木は、横浜DeNA打線の粘りと機動力に攻略された。
 2回一死から宮崎にライトフェンス直撃の二塁打を許し、ソトにもレフト前ヒットを打たれて一死一、三塁とされ、続く森には、ファウルで4球粘られ9球を要して四球を与えた。伊藤光の放ったライナーはライトの正面。タッチアップには、微妙な位置だったが、次が投手のバウアーということもあって、横浜DeNAは、足の速くない三塁走者の宮崎にスタートを切らせた。中継が少しだけ乱れ、3試合連続で先取点を奪われた。

 

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