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写真左がモセスになりすました“替え玉ボクサー”。日本フェザー級1位のオイコラ(右)が1回1分55秒にKO勝利している(写真提供・ボクシングモバイル)
写真左がモセスになりすました“替え玉ボクサー”。日本フェザー級1位のオイコラ(右)が1回1分55秒にKO勝利している(写真提供・ボクシングモバイル)

日本ボクシング界で衝撃の“替え玉”事件!ボビー・オロゴン氏委託の仲介者が手配した2人のナイジェリア人ボクサーが“別人”だった…JBCは関係者のライセンス停止処分へ

 5月14日に北海道・札幌で行われたプロボクシング興行で試合を行った2人のナイジェリア人が日本ボクシングコミッション(JBC)に申請、承認されていた選手とは別人の“替え玉”だったことが26日までに明らかになった。JBCと、この興行のプロモーターで元WBA世界スーパーライト級(当時ジュニアウェルター)王者の平仲信明氏(59、平仲ボクシングスクールジム会長)が確認したもの。現在、詳しい経緯を調査中だが、“替え玉”の2人は共に無気力ファイトで1回KO負けを喫していた。タレント、格闘家、実業家で、平仲BSジムのマネージャーでもあるボビー・オロゴン氏(50)が頼んだ仲介者が手配したもので、JBCは、事実確認が終わり次第、平仲氏、オロゴン氏らにライセンス停止などの厳しい処分を下す方向だ。

 “替え玉”は2人共に何もせず1回KO負け

 

 プロボクシングの信頼が揺らぐ、とんでもない事件が発覚した。
 5月14日に札幌郊外のリゾートホテル「ガトーキングダムサッポロ」で行われた平仲会長が主催したプロボクシング興行「MUGEN挑」に招聘した2人のナイジェリア人ボクサーが、当初、JBCに申請し、出場承認を得ていたボクサーとは別人の“替え玉”だったことが判明した。  
 メインの59キロ契約の8回戦で、日本フェザー級1位のリドワン・オイコラ(26、平仲BS)と対戦したサミュエル・モセス(37)と、アンダーカードのミドル級4回戦で、ボビー・オロゴン氏の息子であるジェイジェイ・オロゴン(23、平仲BS)と対戦したカジーム・ラワル(34)の2人が、本人ではなく別人だった。
 モセスになりすました男は、“ミライモンスター”日本フェザー級王者、松本圭佑(23、大橋)への指名挑戦権を持つ同級1位のオイコラと対戦。パンチの応酬もないまま、オイコラが前進して、右フックを一発だけ出すと、亀になって防いだはずのモセスと名乗った男がダウン。立ち上がったが、戦意を見せなかったため、カウントが続けられ、1分55秒にオイコラのKO勝ちが宣告された。
 プロボクシングの記録サイトとしての世界的権威「ボックスレック」によると、10戦4勝(2KO)5敗1分けの戦績を持っているだったはずだが、実際にリングに上がったボクサーは、まるっきりの素人。もう一人のラウルになりすました男も、ボビーの息子にクリーンヒットどころか、まともにパンチも受けていないのに“空気パンチ”でダウンを喫し、1回3分9秒KO負け。こちらも、「ボックスレック」では、3勝(2KO)1敗の戦績のあるボクサーだったはずが、とてもプロ経験のあるボクサーには見えなかった。
 あまりにも、ひどい内容だったため、JBCから事情を聴かれた平仲会長が大使館と入国管理局に確認したところ、個人情報の問題で正確にはわからなかったが、5人のナイジェリア人の来日予定が3人しか来日しておらず、当該ボクサーの2人の名前がなかったことはわかり、試合をしたボクサーが別人であったことが発覚した。
 平仲会長は、「コミッション(JBC)と協会(日本プロボクシング協会)へも報告しており、現在、事実確認中です。(2人の招聘は)委託しましたが、ナイジェリア政府関係の書類なども揃い、間違いはなかったのです。体重も落としてきて、ちゃんと計量もした。でも、リングに上がり、ボビーの息子との試合を見て“なんやこれ”“おかしい”とわかったのが現実で、そこまでは(替え玉とは)何もわからなかった。もし(別人であることが事前に)わかっていれば、試合はさせていません。ただ、この問題の責任は私にあります」と困惑、反省していた。平仲会長も騙された形だ。

 

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