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22年ぶりに起きた“替え玉ボクサー事件”を主催した平仲信明会長(左)が激白。マッチメイクを任されたボビー・オロゴン氏(右)が委託した仲介者が手配したという(資料写真:中井幹雄/アフロ)
22年ぶりに起きた“替え玉ボクサー事件”を主催した平仲信明会長(左)が激白。マッチメイクを任されたボビー・オロゴン氏(右)が委託した仲介者が手配したという(資料写真:中井幹雄/アフロ)

今日“替え玉ボクサー事件”の“真相究明会議”…主催した元世界王者の平仲会長が激白「狐につままれた話。後日、ボビー・オロゴンが言ったんだ。『パスポートと違う選手だった』と」

 プロボクシングの興行でJBCに申請した選手とは別人の2人のナイジェリア人が試合をした“替え玉ボクサー事件”について協議するJBCと日本プロボクシング協会の実行委員会が今日30日に都内で行われる。沖縄の平仲ボクシングスクールジムのトレーナーライセンスを持つタレント、実業家で格闘家でもあるボjビー・オロゴン氏(50)が仲介を頼んだ人物が手配したものだが、同ジム会長で興行の主催者だった平仲信明氏(59)が沖縄から出てきて事情を説明する。正式な処分は後日になるがライセンス停止は免れない。平仲会長は、西部プロボクシング協会会長、日本プロボクシング協会副会長の要職にあるが、進退をセレス小林会長に預け、予定していた次の県議会議員選挙への立候補も取りやめることを明かした。

 「別人の2人は埼玉の越谷に住んでいるらしい」

 

 平仲会長は憔悴していた。
「もう沖縄は大変ですよ。新聞社やカメラマンがたくさんジムにきて、テレビ局やワイドショーもきているよ。起きたことは事実で間違ったことをしてしまったのは私の責任。逃げも隠れもしないが、沖縄の新聞でも大きく報道されて私自身もびっくりしている」
 元WBA世界スーパーライト(当時ジュニアウェルター)級王者で、沖縄を代表する著名人の平仲会長は、JBCの理事会を直前に控えて、そう語った。
 5月14日に北海道・札幌で行われたプロボクシング興行「MUGEN挑」で起きた“替え玉ボクサー事件”。メインの59キロ契約の8回戦で日本フェザー級1位のリドワン・オイコラ(26、平仲BS)と対戦したサミュエル・モセス(37)と、アンダーカードのミドル級4回戦で、ボビー・オロゴン氏の息子であるジェイジェイ・オロゴン(23、平仲BS)と対戦したカジーム・ラワル(34)の2人が、本人ではなく別人だった。モセスになりすました男は、オイコラが前進して、右フックを一発だけ出すとダウン。立ち上がったが、戦意を見せなかったため、カウントが続けられ、1分55秒にKO負け。
 もう一人のラワルになりすました男も、ボビー・オロゴン氏の息子の“空気パンチ”でダウンを喫し、1回3分9秒KO負け。平仲会長は、その場で、マッチメイクを任せていたボビー・オロゴン氏に、「下手したらオイコラは倒されるかもと思っていたけれど、おかしくないか? あれは素人だよ」と怒ったという。
 あまりにもひどい内容だったため、JBCが映像などから“替え玉”を疑い、平仲会長にコンタクトを取った。平仲会長が、事実確認に乗り出して、ボビー・オロゴン氏に、改めて確認すると驚きの返答があったという。
「あの2人、おかしかったんじゃないか?とボビーに聞くと、ひと呼吸おいてから、『実は話がある。パスポートを手配した選手じゃない。違う選手だ』と言うんだ。びっくりした。私が、試合後に怒ったので調べていたんだろう」
 さらに平仲会長は衝撃的なことを言った。
「あの別人の2人は、埼玉の越谷に住んでいるらしい。レフェリーのマーチンが聞いたそうです」
 この試合のレフェリーは、元日本スーパーウェルター級、ミドル級王者のビニー・マーチン氏が務めたが、そういう会話があったという。
 平仲会長は完全に騙されていた。
「体重も落としてきた。シャドーもできたんだよ。計量ではオイコラに喧嘩を売ってきた。これっぽっちも別人だとは疑わなかった。狐につままれたような感じだよ」
 ただ今振り返れば、おかしな点があったという。
「今冷静に考えればおかしな点がいくつかあった。バンテージを持っていなかったんだよね。それと直前のミット打ちを見ていたんだけど、パンチがあるわけではなく、ジャブ、ジャブと軽く打っているだけだったんだよ」
 JBCの調べでも、パスポートを提出しなかったことや、直前に出された申請書類に記入する項目の間違いなどの不備が多かったことなど、不審な点が多く見られたという。また2選手を呼ぶ際の航空チケットの購入証拠などを求めたが、平仲会長から提出はされなかった。
ーー結局、今回の問題が起きた原因として誰が一番悪かったのですか?
 平仲会長にストレートに質問をぶつけた。
「ナイジェリアから選手を呼ぼうと言ったのは僕。ボビーに任せきりじゃない。こうなるなんて思わなかったけれど、責任は僕にある。ただボビーが頼んだナイジェリアのスポーツ庁との仕事をしているという仲介人が厄介な人物。僕は会ったこともしゃべってこともないんだけど」
 手配した2人を連れてくることができず、替え玉を用意した仲介人が、すべての原因のようだが、詳しい経緯は判明していない。

 

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