「一発当たれば間違いなく終わる」…井上尚弥が30秒の“煙幕公開練習”で「過去一気合が入る」WBC&WBO王者フルトン戦に向けて豪語
プロボクシングの元バンタム級世界4団体統一王者の井上尚弥(30、大橋)が15日、横浜の大橋ジムで、7月25日に有明アリーナで挑戦するWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者、スティーブン・フルトン(28、米国)戦へ向けての公開練習を行った。フルトンは前日に41秒でシャドーボクシングを切り上げる煙幕を張ったが、この日、井上はそれより11秒短い30秒でシャドーボクシングを終わらせた。早くも世紀のビッグマッチにふさわしい神経戦がスタート。「過去一気合が入っている」という井上は、「一発が当たれば間違いなく終わる」と豪語した。以下は主な会見での一問一答。
「頭脳戦になる」
ーー現在のコンディション、減量など?
「かなり順調に仕上がっている。体重も1.8キロプラスしたことがプラスに動いている。パワーももちろんスピードも落ちずに増している。自分にすべてがプラスに動いている」
――スピードも増した?
「過酷な減量をしていくと、筋肉を削ぎ落すのでスピード感もあんまり乗らないなと感じる時があった。今回は不安材料がまったくない」
ーーケガの状態は?
「そこも7月25日に向けて完治している。大丈夫です」
――1.8キロの壁は練習で乗り越えたか?
「試合をしたわけじゃないので、その部分はまだわからないが、準備する過程で、手ごたえは十分にある。逆に、このスーパーバンタム級がベストなんじゃないかと。マイナス部分や不安はまったくない」
ーー拳のケガで5月7日に予定されていた試合が3か月弱、延期になった。その決断を振り返ると?
「延期はプロキャリアで初めてのこと。凄く悩み(周囲とも)相談した。チームに相談した時、100%で挑める形を作っていただいた。感謝しているし、自分の中で延期したことがプラスと言えるような試合にしていきたい」
――ここまで練習は非公開を通してきた。
「久々の挑戦者である。スーパーバンタム級に上げて2団体王者のフルトンを迎える。自分の中では過去一気合が入っている。それだけに慎重に進めてきた」
ーー試合の戦略は?
「自分の中では固まっている」
――今の時点で考えている試合の入りや展開は?
「今は言えない」
――最後にこうして倒すと力強く言ってくれれば。
「今はそれは言う必要はない」
――どこを見てほしい?
「どうですかねえ。見てもらいたいことはスーパーフライ、バンタムと変わらない。勝つ姿を見てもらいたいだけ」
――拓真や浩樹がフルトンの公開練習を視察していた。報告を受けたか。フルトンの来日報道などを見て感じたものは?
「印象は変わらずです」
――フルトンは「賢く戦う」と明かしている。
「フルトンのスタイルからすれば、賢く戦うしかない。それよりも、自分がどう賢く戦うか。頭脳戦になると思う。当日、一瞬でもミスをした方がペースを失う、ヒリヒリとした戦いになると思う」
――スピードとパワーで圧倒するのではないのか?
「それはもちろんだが、それよりも大事なのは、より考えること」
――今回は井上選手も勝ちに徹するんだと思う。それでも一発が当たれば、倒れるのでは?
「一発が当たれば、試合が終わるという自信を持って練習をしてきている。(一発が当たれば)間違いなく終わると思う」