「複数年契約を結んでいたのに寝耳に水だ!」アルファタウリを電撃解雇されたデ・フリースが母国メディアで契約違反の内幕を暴露してレッドブル批判を展開
アルファタウリを電撃解雇されたF1ドライバーのニック・デ・フリース(28)が母国オランダのメディア「DeTelegraaf」のオンラインインタビューに答え「寝耳に水。複数年契約を結び2025年にはレッドブルのセカンドシートを約束されていた」と内幕を暴露して今回の交替処分に猛抗議した。解雇と同時にレッドブルでサードドライバーを務めていたダニエル・リカルド(34)の起用が発表されており、21日から開催される第12戦のハンガリーGPから角田裕毅(23)とのコンビで参戦する。
2年前の“事件”まで引っ張り出してレッドブル批判
「寝耳に水の話だった」
F1第11戦のイギリスGP終了と同時に突然、アルファタウリから解雇され、リカルドとの交替を告げられたデ・フリースが、母国のメディアのインタビューに答えて内幕を暴露した。
「完全に不意を突かれた。解雇は予期していなかった。私は複数年の契約を交わし、2025年にはレッドブルのセカンドシートを約束されていたんだ」
もしこれが事実であればアルファタウリは重大な契約違反行為を犯したことになる。
さらにデ・フリースは、2年前の“事件”を引っ張り出して、レッドブルを糾弾した。
「失望はしているが、レッドブルがルイス・ハミルトンの8度目のタイトルを奪い取ったとしても何も驚かされない」
デ・フリースが暗に示唆したのは2021年の最終戦となるアブダビGPで起きた“事件”だ。
メルセデスのルイス・ハミルトンがレースをリードしていたが、終盤にウイリアムズのニコラス・ラティフィがクラッシュしたことによりセーフティカーが出動し、この影響をもろにうけて、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが最終ラップで逆転した。ハミルトンは、8度目のドライバーズタイトルを逃すことになり、メルセデスは、この裁定について猛抗議、その後、ファンの署名運動まで起きた。
結局、フェルスタッペンの勝利が訂正されることはなかったが、主催者が判断したセーフティカーの出動をまるでレッドブルが仕組んだかのようにデ・フリースは批判したのである。
ただ一方で、デ・フリースの解雇については、アルファタウリのドライバーの人事権を持つレッドブルのモータースポーツディレクターのヘルムート・マルコ氏が、同じく「De Telegraaf」の取材に答えて明確な理由を明らかにしている。
「私たちは、昨年のモンツァ(イタリアGP)での素晴らしいパフォーマンスを見せたからニックと契約した。少なくともチームメイトの角田と同等になることを期待していたが、そうはならなかった。実際、彼は常に角田よりも0.3秒遅かった。彼はナイスガイだがスピードがなかったし、改善は見られなかった」