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アスレチックスの藤浪のオリオールズへの電撃トレードが決まった(写真・アフロ)
アスレチックスの藤浪のオリオールズへの電撃トレードが決まった(写真・アフロ)

なぜアスレチックス藤浪晋太郎のオリオールズへの電撃トレードが決まったのか?

 アスレチックスの藤浪晋太郎投手(29)のオリオールズへの電撃トレードが19日(日本時間20日)決まった。MLB公式サイトなど複数のメディアが報じたもの。交換要員はオリオールズ傘下の3Aでプレーする左腕のイーストン・ルーカス投手(26)。藤浪はロッカーでチームメイトに別れを告げ、オリオールズに移動した。オリオールズは貯金「21」でア・リーグ東地区の首位に立っており、プレーオフ突破の中継ぎ強化のため、7月に防御率2.00と安定感を見せていた藤浪に白羽の矢を立てた。

 7月の防御率は2.00

 水面下で浮上していた藤浪のトレードが電撃的に決まった。
 相手はア・リーグの東地区で首位に立ったオリオールズ。同リーグ西地区で27勝71敗、勝率.276と断トツの最下位に沈んでいるアスレチックスは、すでにプレ―オフ進出は絶望的で、チームで5番目の高額年俸となる325万ドル(約4億5500万円)で契約した藤浪を“売り”に出していた。
 資金力に乏しいアスレチックスは、「マネーボール」で知られる球団経営戦略があり、高額選手を放出して若手の有望株を獲得するトレードでチームを強化していくのが伝統的なチーム方針。優勝争いをしているチームに目をつけてもらうような選手がいなければ、8月1日を期限としたトレード戦略もまとまらなかったが、7月の成績が8試合で2勝1敗1ホールド、防御率2.00と安定感を見せていた藤浪は、中継ぎを強化したいオリオールズのようなチームにとって絶好のターゲットとなっていた。

 先発からスタートした藤浪は開幕から4試合連続で“炎上”、中継ぎに配置転換された。制球難が課題で、回跨ぎ登板をさせられていた当初は、投げてみなければわからないという不安定さが続いたが、5月27日のアストロズ戦を境に制球難が劇的に改善。6月20日からは11試合連続無四球を続けていた。
 平均で160キロを超えてくるストレートを軸にした組み立ての変化と、無駄な動きを削ぎ落したフォームの微調整、そしてメジャーのマウンドを含めた環境の変化への順応などがリンクして安定感を手にした。一時は14点だった防御率も8点まで下がった。プレーオフ進出が絶望的となったアスレチックスが高額年俸の藤浪を“使い倒した”ことで実戦の場で課題に取り組めたことも大きかった。
 ア・リーグ東地区で優勝争いをしているオリオールズは、藤浪の安定感と三振を量産しているストレートの威力を評価した。
 藤浪は18日(日本時間19日)のレッドソックス戦では、7回に3番手として登板。阪神時代に同僚だった横田慎太郎さんの死を悼み、マウンドで横田さんの名前を地面に書き、1回を1安打無失点で切り抜け、チームの8連敗を止め、3ホールド目を挙げていた。今季は34試合に投げて5勝8敗、防御率8.57の成績。MLB公式サイトのアスレチックスの番記者のツイートによると、藤浪はロッカーでチームメイトに別れを告げてオリオールズに合流するため移動している様子。優勝争いをしているオリオールでも引き続き安定した投球を見せられるかどうか。藤浪にとって真価を問われる電撃トレードとなった。

 

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