“戦国ダービー”は皐月賞上位「4強争い」で決まるのか?
いよいよ今日29日、89回目を迎える競馬の祭典「日本ダービー」(東京競馬場、芝2400メートル、G1)が行われる。コロナ禍もようやく落ち着き取り戻し、7万人の観衆が入場可能となったビッグイベント。上位人気は拮抗しているが、前売りオッズで1番人気の3.9倍に支持されたダノンベルーガ(3牡、堀)、2番人気4.2倍のドウデュース(3牡、友道)、3番人気4.4倍のイクイノックス(3牡、木村)、4番人気6.2倍のジオグリフ(3牡、木村)の上位4頭がすべて皐月賞組だ。皐月賞組の“4強争い”で決まるのか。それとも大穴馬が勝利するのか。重賞勝ち馬14頭がスタンバイした戦国ダービーを制するのはどの馬か。
「抜けた馬はいないが、皐月賞上位組が最もダービー馬に近いのでは」
日本ダービーは国内最大級のイベントだ。古くはアイネスフウジンが勝った1990年、19万人もの観衆が東京競馬場を埋め尽くしたほど。一昨年、昨年とコロナ禍により入場が制限され、静かなダービーとなったが、今年は入場制限が緩和され晴れて約7万人に開放される。
そのダービーのスタート地点はご存じの通りスタンド前。昨年までならいらぬ心配だったが、有観客となるとそうもいかない。先週のオークスでスタート前に放馬のハプニングが発生したように、ファンのざわつきや熱気が馬に伝わり、イレ込んだり、平常心を失わせたりすることにつながり兼ねない。スタンド前発走というのがひとつのキーワードになるかもしれない。 今回のメンバーを見渡すと重賞の勝ち馬が実に14頭もいる。リステッド競走の勝ち馬も2頭おり、過去最強の布陣と言っていい。“戦国”ムードに拍車をかけるのが、ここまでのG1の傾向だ。目下、1番人気は「10連敗中」と受難なのだ。
ただし、ダービーの1番人気は過去10年で3勝、2着2回、3着2回と、7割が掲示板に載る。人気上位3頭で決まった年も2回あるが、一方で4年前には3連単285万6300円の高配当も飛び出している。
では、今年のダービーはどうなるのか。 競馬関係者の間では「今年も皐月賞組が優位」の声がもっぱらだ。
前売りオッズでも皐月賞組が上位4頭を占めた。
“戦国”というより“4強争い”と見られている。 騎手として07年ウオッカ、08年ディープスカイでダービーを連覇し、厩舎開業2年目となる四位洋文調教師は自身の経験も踏まえ、こんなヒントをくれた。
「僕のときのように、年によっては桜花賞やNHKマイルカップといった別路線組が勝つときもあるけれど、基本は王道を歩んできた皐月賞組だよ。今年はどの路線もそこそこレベルが高く、抜けた馬はいないが、皐月賞の上位組が最もダービー馬に近いのでは」