「彼は私腹を肥やしていく」なぜネイマールは2年総額約582億円の天文学的な金額でサウジクラブのアル・ヒラルへの移籍を正式に決めたのか…PRのSNS投稿で7900万円
サウジアラビアの強豪アル・ヒラルは15日(日本時間16日)、仏リーグアンのパリ・サンジェルマンからブラジル代表FWネイマール(31)を完全移籍で獲得したと発表した。2025年夏までの2年契約でボーナスなどを含めた年俸総額は4億ドル(約582億5000万円)に達すると報じられている。古巣バルセロナへの復帰を熱望し、一部スペインメディアが個人合意に達したと報じたばかりのネイマールは、なぜ新天地をサウジアラビアに求めたのか。
古巣バルセロナへの復帰を願っていたはずだが…
行き場を失ったブラジル代表FWが選んだのは中東の地だった。
サウジアラビアの強豪アル・ヒラルが、パリ・サンジェルマンからネイマールを完全移籍で獲得したと発表した。クラブの公式ツイッター(現X)は15日(日本時間16日)に、契約書にサインするネイマールの写真を投稿。その上でこうつぶやいた。
「歴史がやってくる」
フランスのスポーツ紙『L’EQUIPE』も、パリ・サンジェルマンに所属した6シーズンで公式戦173試合に出場し、118ゴールをあげたネイマールの移籍をこう報じた。
「パリ・サンジェルマンにおけるネイマールの冒険は終わりを告げた。サウジアラビアのアル・ヒラルは、ボーナスを含めて1億ユーロ(約158億7000万円)弱の移籍金と引き換えに、31歳のブラジル代表FWを2シーズンにわたって確保した」
移籍市場に精通しているイタリア人ジャーナリスト、ファブリツィオ・ロマーノ氏(30)も自身のツイッター(現X)を更新。以前からつぶやいていたネイマールの移籍を「正式決定」とツイートした上で、契約内容を次のように伝えている。
「2年契約で総額3億ドル(約436億7000万円)の史上最高年俸で延長オプションはなし。年俸はアドオンとコマーシャル契約で、4億ドル(約582億5000万円)に達する可能性がある。ネイマールの父親と剛腕代理人ピニ・ザハビがこの契約に納得した」
パリ・サンジェルマンのホーム、パルク・デ・プランスでロリアンと0-0で引き分けた12日(日本時間13日)の2023―24シーズン開幕戦で、ネイマールはピッチに立たないどころかベンチ入りメンバーからも外れていた。
2017年夏に史上最高額の移籍金2億2200万ユーロ(約352億4000万円)でバルセロナから加入。2017-18シーズンにはリーグアン年間最優秀選手になったネイマールだが、パリ・サンジェルマンにおける立場は年々厳しいものになっていた。
リーグアンでこそタイトルを積み重ねた。しかし、優勝が期待されチャンピオンズリーグでは、特に真価を問われる決勝トーナメントでまったく結果を残せなかった。筋肉系の怪我を含めて故障が多く、出場率が低かった点もネイマールの立場を厳しくした。
昨シーズンも精彩を欠き、終盤の今年3月には右足首の手術を受けてそのまま戦線離脱した。ピッチ内だけでなくピッチの外でもチームにいい影響を及ぼさないとして、一部のファン・サポーターが退団を要求する騒動にまで発展している。
前スペイン代表指揮官のルイス・エンリケ新監督(53)の構想から外れたとも報じられ、実際、先月下旬から行われた日本ツアーに帯同しながら一度もピッチに立たなかった。2027年まで契約を残すネイマールの動向を、イギリスの大衆紙『THE Sun』はこう報じている。
「ネイマールは今月に入って、パリ・サンジェルマンの首脳陣に対してクラブを離れたいと申し出ていた。厳しい財政状況が続くパリ・サンジェルマンとしても、サンパウロ出身の道化師と別れ、その高額な年俸から解放されるのは極めて喜ばしかった」
ネイマールが望んだのは古巣バルセロナへの復帰だった。一部スペインメディアは先週末に、ネイマールとバルセロナとの間で個人合意に達したと報じた。しかし、前出の『THE Sun』によれば、完全移籍での獲得にバルセロナ側が難色を示したという。
「期限付き移籍でない限り、バルセロナはネイマールの復帰を望まなかった」