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阪神の岡田監督は試合前のメンバー表交換時に行う恒例の審判団との握手を行わなかった(資料写真)
阪神の岡田監督は試合前のメンバー表交換時に行う恒例の審判団との握手を行わなかった(資料写真)

なぜ阪神の岡田監督は試合前に審判団と恒例の握手をしなかったのか…SNSで憶測が乱れ飛んだが本当の理由は?

阪神は19日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦に6-2で逆転勝利をおさめマジックを自力で「27」に減らした。前日のリクエスト判定を巡って猛抗議を行った岡田彰布監督(65)は試合前にフェアプレーを誓うための恒例行事となっている審判団との握手を行わなかった。この日、阪神は日本野球機構(NPB)に意見書を提出したが、その回答が届いていないのが握手拒否の理由。その指揮官のブレない指針に触発されたようにチームは逆転劇を演じ連敗をストップした。

 笑顔で審判団に握手をしない理由を説明

 

 試合前のメンバー表交換の際に行われる恒例の審判団との握手を岡田監督が拒否した。
「悪いけど機構から回答書が届くまでは握手はせえへんから」
 岡田監督が笑顔で審判団に握手をしない事情を説明すると、責任審判の敷田氏を筆頭に審判団の全員が苦笑いを浮かべた。審判団と握手を交わした三浦監督は、そのやりとりを複雑な表情で見ていた。
 岡田監督が審判団に伝えた回答書とは、この日、球団が機構側に提出した意見書に対するNPBの回答。何ごとも“なあなあ”では済まさない岡田監督らしいブレない姿勢である。
 ネット上では岡田監督が審判団と握手をしなかった理由を巡って様々な憶測が駆け巡り、中には非難の声まであった。だが、その本当の理由は、1本筋の通ったものだった。
 前日の試合で起きた熊谷の盗塁死を巡っての審判団の判断は大きな波紋を広げた。
 1点を追う9回一死から熊谷が仕掛けた盗塁に一度はセーフの判定が下ったが、三浦監督がリクエストを要求。場内のスクリーンには、山本のワンバウンド送球に対して二塁ベースのカバーに入ったショート京田の左足がベースを完全にブロック、タイミングはセーフだったが、熊谷の滑り込んだ足が入りこむ場所がなくベースに届いていないシーンが何度も繰り返して流れた。責任審判の敷田塁審は、その映像を見たファンの心情を配慮し、場内放送で「セカンドベースのところで走者と野手が接触していますが、(走塁)妨害とはいたしません。よってアウト」と伝えた。すると岡田監督はベンチを出て抗議ではなく「何を言っているのか聞こえなかった」と説明を求めた。
 だが、敷田塁審が、「故意ではなく、偶然、あの形になった。走塁妨害ではない。お互いが精一杯にプレーして、あの形になり(熊谷の)足がベースに届いていないのでアウト」と回答したため、岡田監督が激怒。
「お前ら何言うてんのん。足が完全にベースをブロックしているんやから、走塁妨害やろ」と猛抗議した。アグリーメントで5分を超える抗議は遅延行為で退場となるために時間内に引き下がったが、球団サイドは岡田監督と協議した上で、この日、機構側に意見書を提出した。
「あのプレーが故意ではないとするのならば、故意か故意ではないという定義はどこにあるのか。送球に対するプレーが偶然に見えた場合に走塁妨害でないと判断されるのであれば、二塁ベースの前に座り込みにいってのタッチプレーも認められるのか」など、いくつかの質問を意見書に盛り込んだとみられる。

 

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