センバツで見つけた「夏が楽しみなドラフトの逸材」
センバツ高校野球のクライマックスが近づいている。今日30日に甲子園球場で準決勝2試合が行われ決勝進出チームが決定する。今大会も“2年生・四天王”と呼ばれた花巻東の佐々木麟太郎内野手らの4選手などプロ注目のドラフト候補が大会を盛り上げた。“名将”故・野村克也氏が最も信頼した“右腕”として知られ、阪神ではスカウト、ヤクルトでは、編成の責任者としてドラフトの指揮を執った松井優典氏に「夏が楽しみなドラフトの逸材」をピックアップしてもらった。
センバツ出場組の3年生は不作
「2年生の四天王が図抜けた存在で、今秋のドラフト対象となる3年生では、現時点では1位競合する選手はいなかった。ただ高校生は夏へ向けて大きく変わるもの。3年生については成長が楽しみな選手をリストアップした」
松井氏は慎重に言葉を選んだが、センバツ出場組の3年生については不作。来秋のドラフトの対象となる2年生に評判通りのドラフト1位候補が目立ったという。
“2年生・四天王”の評価で言えば、今日の準決勝で国学院久我山と対戦する大阪桐蔭の左腕、前田悠伍、花巻東の佐々木の2人の評価が高い。前田は、最速143キロのストレートとチェンジアップを武器に準々決勝の市立和歌山戦で6回12奪三振無失点の「Kラッシュ」。
佐々木は、市立和歌山戦で2三振するなど結果を出せず1回戦で敗退したが、通算56本のスケールの大きさが光った。
「プロスカウトの目線から見ると4人の中でも前田が群を抜き、続いて佐々木だろう。前田はスピード、変化球、投球バランス、そしてセンスのすべてがAクラス。チェンジアップを操れるのでストレートにも角度がつきどっちのボールでも空振りが取れる。左腕は貴重。順調にいけばドラフトで複数球団が競合するだろう。佐々木は、バットスイングの速さとプロの中に入っても見劣りしないような肉体が魅力だ。軸もぶれない。本来は外国人枠である一塁で使いたくなるほどの将来性を感じる。三塁の守備に挑戦するなど、1年半をかけて対応力を磨いてもらいたい」