阪神マジック消滅が“アレ“達成に向け及ぼす影響とは?守護神”岩崎の9回“悪夢2被弾”で横浜DeNAに敗れ2位の広島が巨人に逆転勝利
阪神が29日、甲子園での横浜DeNA戦に2-3で逆転負けを喫し、2位の広島が巨人に5-4で逆転勝利したため「21」が点灯していたマジックが消滅した。0-0で迎えた8回に坂本誠志郎(29)、代打ヨハン・ミエセス(28)のタイムリーで2点を奪ったが、9回に23試合無失点を続けていた“守護神”の岩崎優(32)が、佐野恵太(28)、牧秀悟(25)に連続アーチを浴びて逆転を許した。マジック消滅は、阪神のVロードに影響を及ぼすのか?
「そら、まさかやろ」
長いロードを経ての甲子園凱旋は悪夢の一夜となった。
「そら、まさかやろ」
スポーツ各紙の報道によると岡田監督が試合後にそう振り返った“まさか”は2-0の2点リードで迎えた9回に起こった。
マウンドには23試合連続無失点記録を続け、この時点で防御率が0.77だった絶対的守護神の岩崎である。0-0で迎えた8回に阪神は二死二塁から坂本が横浜DeNAの2番手のウェンデルケンの153キロのストレートを捉えてライト前にタイムリーを放ち、1点では、まだ心もとなかったが、木浪がヒットでつなぎ代打ミエセスがレフト前にタイムリー。来季残留が内定しているミエセスの初の代打ヒットで2点目を追加して、勝利は盤石かと思われていた。
だが、岩崎は先頭の代打の蝦名をカウント0-2と追い込んでからの勝負を焦り、甘く入った3球目のストレートをセンター前に弾かれた。これが悪夢の始まりだった。続く佐野にも初球のストレートが甘く浮き、それを右中間スタンドまで運ばれたのである。同点の12号2ラン。さらに4番の牧には低めに落としたチェンジアップをバットに乗せられた。打球は強くレフトへ吹く浜風に押された。
「芯に当たって風がレフトスタンドに吹いていたので入ってくれと思いながら走っていました」
牧が試合後にそう回想した打球は、レフトフェンスをギリギリ越えていく勝ち越しの23号ソロとなり満員の甲子園を静まり返らせた。
ただ阪神は黙って引き下がったわけではない。横浜DeNAのクローザー森原から9回裏に見せ場は作った。二死二塁から代打の糸原がセンター前ヒット。桑原の前進守備と打球が、あまりにも強烈だったため二塁走者の中野は三塁でストップ。さらに一、三塁のチャンスに岡田監督は代打の小幡を送ったが、ショート正面のゴロに終わった。
岩崎が配球に丁寧さを欠いたというミスはあった。だが、これで50試合目の登板となった岩崎が打たれることもある。
スポーツ各紙の報道によると岡田監督は、「まあしゃあない。責める、責めないの問題やない」と、とりたてて問題にはしなかったが、同じパターンの負けが、今季2度目となったことには引っかかっていた。“アレ”に向けての詰めを行っていく中で負け方、打たれ方を見過ごさなかったのである。
阪神が勝ちゲームを9回の連発弾で落としたのは今季2度目。6月15日の甲子園でのオリックス戦も2-1の1点リードで迎えた9回に現在は脇腹を痛めてファームにいる“守護神”の湯浅をマウンドに送ったが、一死から頓宮に同点アーチを浴び、二死を取ってから杉本に勝ち越しの一発を許して逆転負けを喫している。
この日、京セラドーム大阪では2位の広島が末包の3ランで巨人に逆転勝利したため「21」が点灯していたマジックが消滅した。ゲーム差が「6」に縮まり、阪神と広島との直接対決が7試合残っているため、広島の自力Vが復活したのが消滅の理由だ。