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新人王を獲得した阪神の高山俊も戦力外となった(資料写真・黒田史夫)
新人王を獲得した阪神の高山俊も戦力外となった(資料写真・黒田史夫)

阪神の岡田監督が“戦力外”の高山俊、北條史也らに惜別と励ましの言葉…指揮官が彼らの再起に期待していた知られざる裏話とは?

 阪神が3日、高山俊外野手(30)、北條史也内野手(29)、板山祐太郎外野手(29)、山本泰寛内野手(29)、二保旭投手(33)、渡辺雄大投手(32)、小林慶祐投手(30)、育成選手の望月惇志投手(26)の8選手に戦力外通告を行った。高山、北條らは、甲子園球場の監督室を訪れて岡田彰布監督(65)に退団の挨拶を行い、指揮官は現役続行を目指す彼らに惜別と励ましの言葉を送った。

 1年前に現役ドラフトリストから外す

 戦力外通告を受けた高山、北條らは監督室に岡田監督を訪ねた。
「チームの戦力になれずにすみません」
 そう言って頭を下げたという。
 戦力外となった8人のうち数人は、11月15日に日ハム2軍の本拠地である鎌ケ谷で行われる12球団合同トライアウトに参加して現役続行の道を模索する。
 来季からは、ハヤテ223、新潟アルビレックスの2球団がNPBのファームに新規参入するため、戦力外選手には再チャレンジの可能性は広がっている。岡田監督は、彼らに惜別と励ましの言葉を返したという。
 実は、高山、板山の2人は、当初、昨年の現役ドラフトの1、2位リストに入っていた。だが、15年ぶりに古巣に復帰した岡田監督は、「もう一回チャンス与えたい」と、フロントに再考を訴え、ドラフト1位で即戦力として期待のできる右の外野手の森下を獲得できたという事情もあり、現役ドラフトに出す選手のリストを陽川(西武へ移籍)らに切り替えたという知られざる裏話がある。
 高山は、2015年に明大から、ヤクルトとの競合の末、ドラフト1位で阪神に入団。抜群のバッティングセンスでルーキーイヤーに球団の新人最多記録となる136安打を放つなどの活躍を見せて新人王に輝いた。だが、その後、フォーム改造の失敗や、故障などで長らく低迷が続いていた。評論家時代から、その高山のセンスを買っていた岡田監督は、8年目となる今季沖縄の1軍キャンプに抜擢した。
 人前で教えることを嫌う岡田監督だが、その沖縄キャンプでは、悩める高山を直接、1時間以上にわたってマンツーマンで指導した。実戦の中で結果が出ず、室内練習場で正座してノートを覗いてる高山の姿を見て、いてもたってもいられず、バットのヘッドの使い方などを教えたのだ。
 岡田監督は変貌に期待してオープン戦でも我慢強く起用したが、プロ1年目に見せていたような安定したタイミングや、抜群のバットコントロールは戻らず、6試合、9打数1安打と結果を残せずに2軍落ちとなり、開幕メンバーから外れた。2軍では、92試合に出場し打率.249、9本塁打、37打点の成績を残したが一度も1軍に呼ばれることはなかった。
 対照的にキャンプ、オープン戦で存在感を見せた板山は、開幕1軍に名を連ねた。4月には2試合でスタメン起用までされたが、結局、12試合で17打席立ち、ヒットは、わずか1本だけに終わり、5月1日に2軍落ちして以来、1軍昇格チャンスは巡ってこなかった。

 

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