練習嫌いで知られた異色“天才ウイング”エデン・アザールが32歳で電撃引退表明…ベルギー、英、スペインメディアが引退理由を探り「チェルシー史上最も偉大な選手」と大々的に報じる
ベルギー代表としてカタールW杯に出場、チェルシーでは稀代の名ウイングとして一時代を築いたエデン・アザール(32)が10日、現役引退を電撃発表した。6月30日付でレアル・マドリードとの契約を解消し、無所属となっていたアザールは、自身のインスタグラムに「自分自身の声に耳を傾け、適切なタイミングでの引退を決めました」と綴った。まだ32歳のアザールの電撃引退は、母国ベルギーだけでなく英国、スペインなどでも大々的に報じられ、日本でもX(旧ツイッター)でトレンド入りするなど大きな反響を呼んでいる。
「数々の夢は叶えられた。自分自身の声に耳を傾けて決断」
契約を1年残していたレアル・マドリードを6月末で退団し、無所属になってから3カ月あまり。稀代の名ウイングとして一時代を築いたアザールが現役引退を電撃発表した。
10日に自身のインスタグラムを更新。国際Aマッチで通算126試合に出場し、同国歴代2位の33ゴールをあげたベルギー代表に加えて、リーグアンのリール、プレミアリーグのチェルシー、そしてラ・リーガ1部のレアル・マドリードで自身がプレーしている4枚の写真を投稿。その上でフランス語と英語でスパイクを脱ぐと伝えた。
「自分自身の声に耳を傾け、適切なタイミングでの引退を決めました。16年間で700試合以上に出場してきた、プロサッカー選手としてのキャリアに終止符を打ちます。数々の自分の夢をかなえられたし、世界中のピッチでプレーして楽しめた。キャリアのなかで素晴らしい監督、コーチ、チームメイトに出会えた自分は本当に幸せでした」
14歳で親元を離れて下部組織入りしたリールで、16歳だった2007年にプロデビューしたアザールは、2012年6月に移籍金3200万ポンド(約58億4000万円)でチェルシーに加入。7シーズンで公式戦通算352試合に出場して110ゴール92アシストをマークし、2度のプレミアリーグ制覇を含めて、6つのタイトル獲得に貢献した。
しかし、2019年夏に移籍金1億1500万ユーロ(約210億円)の5年契約でレアル・マドリードに加入してからは、一転して怪我の連鎖に苦しめられた。昨シーズンのリーグ戦出場がわずか6試合で無得点に終わるなど、4シーズンで公式戦76試合に出場して7ゴールという結果に甘んじ、シーズン後に契約解消と退団に合意していた。
無所属になった後もMLSのモントリオール、ブラジルのボタフォゴ、母国ベルギーのアンデルレヒトやユニオン・サンジロワーズ、さらにサウジアラビアのアル・シャバブなどが獲得に動くと報じられた。無所属選手は移籍期間に関係なく契約できるだけに、32歳と十分にプレーできるアザールが下した決断は、大きな驚きを持って世界中のファンに受け止められた。
特にアザールがプレーした英国、スペインと母国ベルギーのメディアは、さまざまな角度から稀代の名ウイングの現役引退を報じている。