久保建英が「きつい」と漏らし三笘薫が辞退したほどの過酷日程で海外組を国内代表戦に招聘することへの是非
カナダ代表との国際親善試合(13日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)へ向けて、千葉市内で合宿中の日本代表MF久保建英(22、レアル・ソシエダ)が11日の練習後に取材対応。UEFAチャンピオンズリーグも並行して戦うなかでの代表活動参加に「きついですよ、正直」と本音を漏らした。今シリーズではMF三笘薫(26、ブライトン)が体調不良で参加を辞退。過密日程下でプレーするヨーロッパ組を、国内で行われる親善試合でプレーさせる是非が問われてくる。
3万kmの長いフライト
第9節までを終えたラ・リーガで、得点ランキングで2位タイにつける5ゴールをマーク。日本人選手として初めて獲得した同リーグの月間MVPをも引っさげて、意気揚々と森保ジャパンに合流したはずの久保が思わぬ弱音を漏らした。
13日のカナダ戦へ向けて、9日から千葉市内で行われている代表合宿。3日目を終えた後に設けられた取材対応で、合流2日目でフルメニューを消化した久保は、心身のコンディションを問う質問に「きついですよ、正直」と偽らざる胸中を明かした。
「きついですけど、(日本)代表(の試合が)がありましたし、何とか(日本へ)戻ってきたという感じですね。日本ではいろいろな人たちが(試合を)待ってくれているし、新潟の試合はチケットも完売という話も聞いています。そういった人たちのために試合ができるのはすごく幸せなことですけど、きつさがあるのも事実なので」
久保がネガティブな響きを持つ言葉を残すのは、おそらく今回が初めてとなる。8月に開幕した今シーズンのラ・リーガ1部。9月27日のバレンシア戦こそリザーブのまま勝利を見届けた久保は、残る8試合すべてで先発として送り出されている。
スペインにわたって5シーズン目で初めて経験しているチャンピオンズリーグでも、ホームで引き分けたインテル(セリエA)戦、アウェイで勝利したザルツブルク(オーストリア)戦で先発。合計プレー時間は777分と、昨シーズン以上にフル回転している。
ただ、心身が疲弊している原因は過密日程だけではない。
帰国直前の8日に対戦したアトレティコ・マドリード戦では、久保が敵陣に入るや複数のマークが立ちはだかって封じにきた。大黒柱と認められたからこそ、対戦相手から常に警戒される。今シーズンで最短となる65分間の出場に終わり、ソシエダも1-2で敗れ、公式戦の連勝を4で止められた一戦を、久保は「完敗でしたね」と振り返った。
「アトレティコ戦は、珍しく僕のプレーもよくなかった。まあ、そこはいったん置いておいて、それでもサイドのところは、特にこっちの右サイドは1人、2人、3人と包囲網みたいなものを敷いてきた。そのなかで上手くいかなかったですね」
心身の疲労に敗戦のショックが重なった状態で日本へ向かった。スペインと日本の間では直行便が就航していないため、今回はフィンランド経由で帰国した。カナダ戦とチュニジア戦(17日、ノエビアスタジアム神戸)を終えてスペインへ戻る際も変わらない。