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ロッテが延長10回に3点差を逆転。最後は安田がサヨナラ二塁打を放つ(資料写真・黒田史夫)
ロッテが延長10回に3点差を逆転。最後は安田がサヨナラ二塁打を放つ(資料写真・黒田史夫)

「なぜ?」「オスナの回跨ぎは?」ロッテに衝撃3点差逆転サヨナラを許したソフトバンク藤本監督の延長10回の継投策は間違っていたのか…今季限り退任発表

 パ・リーグCSファーストステージの第3戦が16日、ZOZOマリンスタジアムで行われ、ロッテが延長10回に3点差をひっくり返す逆転サヨナラ劇でソフトバンクを4-3で下し、対戦成績2勝1敗で2年ぶりのファイナルステージ進出を決めた。3点を追う延長10回に藤岡裕大(30)の起死回生の3ランで追いつき、さらに二死一塁から途中出場の安田尚憲(24)が右中間にサヨナラ二塁打を決めた。ソフトバンクは10回に津森宥紀(25)を投入したが、SNS上ではロッテとの相性が最悪の右腕を起用した藤本博史監督(59)の采配に批判の声が集まった。またソフトバンクは試合後に藤本監督の今季限りの退任を発表した。

今季シーズン1本塁打の藤岡が延長10回に値千金の同点3ラン

 

 10月のZOZOマリンに奇跡を見た。
 0-0で迎えた延長10回に吉井監督が「継投の順番を間違えた」という3連投の沢村が、まさかの3失点炎上。だが、絶望的な得点差にもあきらめている選手は一人もいなかった。ソフトバンク7番手の津森を攻めて、代打の角中、荻野の連打で無死一、二塁とすると、今季1本塁打しか記録していない藤岡が右中間のホームラン・ラグーン席に起死回生の同点3ランを放りこんだ。
「前の2人がつないでくれたので、ホームランを打つくらいの気持ちで打席に立った。ヒットでつないでも、相手も(投手を)つないでくるだろう。一気に3点をとれるようにがんばりました」
 なんと藤岡はホームランを狙っていたというのだ。
 津森はマウンド上で泣きそうな顔。斎藤コーチに慰められていたが、とても続投は無理だった。藤本監督はルーキーの大津にスイッチ。二死となったが、岡が三遊間ヒットで出ると、安田が右中間へライナー性の打球を飛ばす。ソフトバンクのベンチは、長打によるサヨナラだけは阻止しようとライトの谷川原をほぼフェンスの手前に貼り付けていた。右中間を破られることなく谷川原が打球をストップしたが、岡は三塁を回り、川瀬が中継したバックホームは、ミット一個分だけ一塁側にそれた。クロスプレーはセーフの判定。劇的なサヨナラ劇にウォーターシャワーで全身ずぶ濡れになった安田は、歓喜の輪に包まれた。リクエストを申請されたが結果は変わらずファンも選手も2度感激を味わった。
「絶対にこの回で決める、後ろにつなぐんだと打席に入った。(岡)大海さんなら絶対に還ってこれると信じながら見守っていた。(藤岡)裕大さんの同点ホームランでまだまだいけるんだと、勢いをつけてくれた。先輩方々の勢いにのって僕も打てた」
 今季4度目のサヨナラ男となった途中出場の安田を吉井監督は「集中していた。スーパー安田だった」と称えた。
 ネットやSNSを騒がしたのは、ソフトバンク藤本監督の継投策だった。試合後に球団は、藤本監督の今季限りの退任を発表したが、鷹党からすれば「辞める人だから」ではすまされない。
「なぜロッテに相性の悪い津森を出すの?」
「なぜオスナを回跨ぎさせなかった?」などの批判の声が殺到した。0-0で迎えた延長10回に藤本監督は一死から代打攻勢をかけて柳町が右中間二塁打、二死からスタメン復帰させた周東が均衡を破るタイムリーを放ち、さらに川瀬、柳田の連打で3点を奪い、9分9厘、手にしていたCSファイナル切符が、その裏に今季対ロッテ戦の防御率7.56と相性の悪いサイドハンドの津森を投入したことで悪夢に変わったのである。

 

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