なぜ西武は国学院大の武内夏暉のドラフト1位指名を公表したのか?
西武が24日、明日26日のドラフト会議で国学院大の即戦力左腕、武内夏暉投手を1位指名することを公表した。すでに広島が青学大の常廣羽也斗投手の1位指名を公表しているが、12球団で1位指名を事前に公表したのは2球団目。なぜ西武は1位指名の公表に踏み切ったのだろうか?
渡辺GM「有力候補の中で最も実力があると評価」
“無風ドラフト”ではない。
昨年は、阪神、横浜DeNA、ロッテ以外の9球団が事前に1位指名を公表していたが、今年は広島が青学大の常廣の指名を公表しただけ。阪神の岡田監督が「そんなん面白ないやんか、何のためのドラフトやねん」と非公表のススメを訴えたことが効いたのか、一転、嵐の予感がするドラフトとなっていた。その中で西武が、国学院大の大型左腕である武内の1位指名を公表した。
渡辺久信GMは、球団を通じて「今年のドラフト 1 位指名は、武内夏暉投手でいきます。数多くいる有力候補の中で、今年は武内くんが最も実力があると評価しました。左の先発をもう少し厚くしたいと考えているなかで、即戦力の投手として合致していますし、強いストレートと変化球が多彩で、どの球でも決め球に使える制球力の高さが魅力です」とのコメントを発表した。
武内は1m85、95キロの大型左腕。ストレートはU18W杯代表との壮行試合でマークした153キロが最速でスライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームの多彩な変化球を操る。最大の特長は、安定感抜群のコントロール。今ドラフトでは最速158キロを誇る東洋大の細野晴希、腕が隠れる独特フォームの桐蔭横浜大の古謝樹という左腕に1位候補が揃っているが、コントロールという面では武内が一枚抜けている存在だ。
2年の秋に明治神宮大会の九州産業大戦で8回二死までパーフェクトゲームをやってスカウト陣の注目を集めた。今夏には、大学侍ジャパンのメンバーにも選出され、日米野球では3試合に登板。今秋のリーグ戦でも5勝2敗、防御率0.97で最優秀防御率のタイトルとベストナインに選ばれている。
今季65勝77敗1分けで5位に終わった西武は、平良が11勝、高橋光と今井が揃って10勝に到達するなど、2桁勝利の投手が3人も生まれたが、ローテーションのなかでの左腕は9勝10敗の隅田一人くらいで、さらに先発陣を強固にするため、左腕の先発候補の補強がテーマだった。