横浜DeNAバウアー「メジャー復帰のチャンスは少ない」と米報道…残る選択肢は横浜DeNA残留か

　横浜DeNAのトレバー・バウアー（32）の去就に関する注目記事が25日（日本時間26日）、ロサンゼルス・タイムズ紙に掲載された。同記事によるとバウアーはメジャー復帰を望んでいるが、元オーナーや元球団社長の話として「復帰のチャンスは少ない」「勝ちたいがために獲得することは考えにくい」などの否定的な見通しを明かした。バウアーを巡ってはソフトバンクなどが調査に乗り出して争奪戦が起こっているが、関係者の話を総合すればメジャー復帰の可能性が消えた場合、横浜DeNA残留の線が濃厚だという。果たしてバウアーは、どのような決断を下すのだろうか。

　代理人からドジャースへのメッセージ

　今季の横浜DeNAの救世主となった元サイヤング賞投手のバウアーはどこへいくのか。
　その去就が注目されている中で、米ロサンゼルス・タイムズ紙が「バウアーはメジャー復帰を望んでいる。彼と契約をするチームはあるのか？」というショッキングな見出しを取った記事を掲載した。ビル・シェイキン記者の執筆記事は、まずドジャースがプレーオフの地区シリーズでダイヤモンドバックスに悪夢の3連敗を喫した後に、バウアーの代理人のレイチェル・ルーバ氏がSNSに投稿した内容から紹介した。
「気に入っていようが嫌っていようが、ポストシーズンでの先発投手こそが間違いなくドジャースに必要な最重要ピースだ」
　ドジャースは、初戦でエースのクレイトン・カーショーが1回に炎上、第2戦はボビー・ミラーが2回持たず、第3戦もランス・リンが3回でKOされ、先発に問題があったことが露呈。同紙は、「ルーバ氏はバウアーの名前にこそ言及しなかったが、その投稿の影響は大きかった。ドジャースはバウアーをそのピースの1つとして持っていることができたかもしれなかったからだ」と書き出した。
　バウアーはドジャースと3年1億200万ドル（約152億円）の大型契約を結んだが、2021年に知人女性に対するDV禁止規定違反でメジャーリーグ機構から324試合の長期の出場停止処分を受け（その後、処分は194試合に短縮）、今年1月にドジャースとの契約を解除され、横浜DeNAでプレーした。横浜DeNAとの契約は約4億円程度だったが、今季の年俸に関しては、複数年契約を結んでいたドジャースも、約50億円相当を支払っている。バウアーは今季19試合に投げて防御率2.76、10勝4敗の成績を残した。
「（解雇された後に）ドジャースが年俸を負担することになってさえも、他のメジャーチームは、どこも彼と契約しなかった。バウアーは日本で投げ、（日本の）ファンは彼をオールスターに選出した。6回、7回を定期的に投げられる先発投手が実質的に絶滅に近い時代の中で、1月に33歳となるバウアーは、この冬、メジャーリーグのオーナーたちに自身を売り込むことができる。どこかのチームが彼と契約するだろうか？」
　そう問いかけた同紙はメジャーの元オーナーの証言を取っている。
「どこかのオーナーがあまりにも勝ちたいがためにバウアーを獲得することになるだろうとは考えられない。（NFLレイダース元オーナーの）アル・デイビス氏、もしくは、そのような人物でなければならない」と否定的な意見を伝えた。
　アル・デイビス氏は、「Just win, baby（勝てばいい）」が口癖で、なにふりかまわず補強などに動く人物として知られている。
　同紙は、バウアーが、この10月3日に性的暴行の疑いで訴えられていたリンジー・ヒル氏と和解したことなどについても触れ、ドジャースのポストシーズン敗退後にアンドリュー・フリードマン編成本部長に「チームはバウアーの解雇について再考があったのか？」と質問したことを伝えた。フリードマン氏は、「我々は、その時点（今年1月の契約解除の時点）で、ある情報を持っていて判断を下している」と語ったという。