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オリックスからドラフト4位指名を受けた報徳学園の大型捕手の堀。目標は「トリプルスリー」
オリックスからドラフト4位指名を受けた報徳学園の大型捕手の堀。目標は「トリプルスリー」

最近のドラフト候補の球児がプロ野球を見ていないって本当だった…オリックス4位指名の報徳学園“バスーカ捕手”堀が「パってどっちでしたっけ?」の天然回答で大物ぶりを発揮?!

 プロ野球のドラフト会議が26日、都内で開かれ、報徳学園の堀柊那(しゅうな)捕手(18)は、パ・リーグ3連覇中のオリックスからドラフト4位で指名された。強肩強打に加えて足もある堀は、捕手としては前代未聞の「トリプルスリー」を目標に掲げた。オリックスのドラフト4位といえばイチローや山本由伸を生み出した出世枠。天然ボケで会見場を沸かせた明るいキャラクターの堀が未来のオリックスの正捕手を目指す。

 「呼ばれないのではないかと不安に」

 

その瞬間、仲間の野球部員から大歓声がわき起こった。兵庫県西宮市内にある報徳学園の大谷記念講堂に設置された会見場。中継を見守っていた堀は自分の名前が呼ばれると、安堵し、はにかんだような表情を浮かべた。
「まずは本当に選んでいただいて安心しました。いまは、うれしいという思いが強いです」
 外れ1位で3球団が競合した大阪桐蔭の前田悠伍をはじめ、同学年の高校生の名前が、どんどん呼ばれるなか、堀が出てこない状況が続いた。
「正直、不安になりました。呼ばれないのではないかと、これまでの人生で一番ぐらい緊張しました」という。事前に阪神が狙っているとの報道もあったからなおさらだろう。
 オリックスの印象を聞かれ、「キャッチャーで言えば、森友哉選手。バッティングが良くて凄い選手。越えられるようにしたい。いい目標ができました」と、そつなく返したが、ここから仲間の部員たちの醸し出す冷やかしムードに飲まれたのか、天然ぶりを連発した。
 お決まりの代表質問で「パ・リーグで対戦したい投手は?」と聞かれると、困ったような表情で隣に座った大角健二監督に小さな声で「パ・リーグってどっちでしたっけ?」と尋ねる一幕も。その後、あろうことか「ソフトバンクの柳田選手」と打者の名前を挙げてしまい、会場は爆笑に包まれた。最近の球児はプロ野球を見ない選手が増えているが、堀もまた「阪神くらいしかプロ野球は見ていなかったのでパ・リーグの選手は知らなかった」という。
 大角監督も関西人らしくノリの良さを発揮。堀に対して印象に残っている場面を聞かれると「1年生で入って来て、いきなり先輩にタメ口で”オレもそのグループ、入れてえや”と言ったんですよ。バカなのか、物怖じしないのか、つかみどころのないヤツでした」と笑顔でエピソードを明かした。
 ネット上では、ファンが盛り上がり、「大物感しかない」「糸井の再来」「天然かな?」と、日ハム、オリックス、阪神で活躍した糸井嘉男氏が引き合いに出されるなどの騒ぎにもなった。
 捕手としてのポテンシャルの高さは言うまでもない。1m79、82キロの体格で二塁への送球タイムは1秒81とすでにプロの一軍レベル。今春のセンバツでは“バズーカ砲”としてSNSでトレンド入りしたほど。50メートル走も6秒1と足も速い。名門、報徳学園で1年秋から正捕手になり、2年秋の新チームから主将を任されたように統率力もある。
 打撃では、昨秋の公式戦で打率4割9厘。今春のセンバツでは、20打数8安打の打率4割をマークし準優勝に貢献するとともに、その後のU18W杯の日本代表候補強化合宿にも参加した。ただ、センバツでも、本来の打撃にはほど遠く、甲子園出場がならなかった最後の夏は、兵庫県大会では本塁打は放ったものの、本調子ではなかったという。
 大角監督が言う。
「持っているものは歴代の報徳キャッチャーで一番。しかし、春以降は調子を崩していた。クリーンナップを打っていた石野蓮授が飛ばすもんだから自分も飛ばそう、飛ばそうとして力んでバランスを崩していた。送球も打撃も単発では凄いが、まだまだ安定感がない。本人もようやく、いいスイングをすれば、飛ぶことが分かってきたようなのでプロに入ってもそれを継続してもらいたい」

 

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