「TAKEがジャングルの中で標的を見つける」地元メディアが久保建英の起点プレーを絶賛…レアル・ソシエダが3連勝で歴史的な20季ぶりのCL決勝T進出を決める
UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグ第4節が8日(日本時間9日)に行われ、日本代表MF久保建英(22)を擁するグループDのレアル・ソシエダは、本拠地レアレ・アレーナでベンフィカ(ポルトガル)に3-1で快勝。破竹の3連勝をマークし、クラブ史上で20シーズンぶり2度目となる決勝トーナメント進出を決めた。主戦場の右ウイングで先発した久保は前半6分の先制点、同21分の3点目の起点になるなど随所で輝きを放つプレーを見せて、16日から始まるW杯アジア2次予選へ弾みをつけた。
2ゴールの起点となる
ゴールを決めていないし、アシストもマークしていない。それでも、久保がまばゆい輝きを放ちながら、レアル・ソシエダがあげた2つのゴールの起点になった。
まずは開始6分。右CKのキッカーを担った久保は、ショートコーナーから左ウイングのアンデル・バレネチェア(21)とパスを交換した後に縦へ突破。最後はゴールライン際で3人もの相手選手に囲まれながら、わずかな隙を見つけて後方のバレネチェアへパスを通す。
フリーのバレネチェアはすかさずゴール前へクロスを入れる。相手DFのクリアが中途半端になったこぼれ球に、DFアイヘン・ムニョス(26)がボレーを一閃。ゴールの右へ外れたボールを、詰めていたMFミケル・メリノ(27)が頭で押し込んで先制した。
久保が最初にバレネチェアへボールを出してから、ゴールが生まれるまでに要した時間は15秒。流れるような攻撃を、スペイン紙の『MUNDO DEPORTIVO』は「ラ・レアル(ソシエダの愛称)はまさに交響楽団のようだった」とこう報じた。
「インサイドの選手とウイングの選手のつながりは、最初から一貫していた。そのなかで、クボはジャングルのなかでしっかりとバレネチェアを見つけた」
久保を取り囲んだ3人もの選手を同メディアはジャングルにたとえ、その分だけゴール前の守りが手薄になったと評価した。同じようなシチュエーションがすぐに再現される。さらに1点を追加し、リードを2点に広げて迎えた前半21分だった。
右タッチライン際でボールを持った久保が、まず縦へ仕掛ける形を見せる。すかさず切り返して中央へカットイン。相手ゴールから離れ気味にコースを取っていくドリブルに、再びベンフィカの選手3人が引きつけられた次の瞬間だった。
ゴール中央付近でフリーになっていたメリノへ、久保がすかさずパスを通す。素早く反転したメリノは、さらにペナルティーエリア内の左でノーマークだったバレネチェアへパス。慌ててマークにきたMFジョアン・ネベス(19)をシュートフェイントでかわしたバレネチェアが右足を振り抜き、豪快な一撃をゴール右隅へ突き刺した。
「そして、芸術の頂点を極めた、傑作と呼ぶべきゴールが生まれた。ラ・レアルはボールを素早く左へ動かしながら、メリノがバレネチェアを見つめた。まるで夢のように美しい前半でベンフィカを圧倒したラ・レアルは、今シーズンのチャンピオンズリーグで、最もまばゆい輝きを放っているチームのひとつと言っていい」