FA期限残り2日…残留かFA移籍か。西武の山川穂高はどんな選択をすべきなのか…中日が密かに狙う“ウルトラC”とは?
国内FAの申請が明日14日に締め切られ15日に公示される。注目は今季FA資格を得た西武の山川穂高(31)だろう。不起訴となったが、知人女性への強制性交の疑いで書類送検された問題で、球団から無期限の公式戦出場停止のペナルティを受け、フェニックスリーグで実戦復帰したが、まだ去就を明らかにしていない。中日など山川の獲得に興味を示している球団がある中で西武は単年契約での残留オファーを出したとみられる。山川は果たして、どんな選択をするのだろうか?
西武に1年残留して迷惑をかけた分の恩返しをするのが理想形なのか?
決断の時が近づいてきた。FAの申請期限は14日いっぱい。15日にはNPBから公示される。すでに西武では、平井がFA宣言をしたが、注目の山川は、まだその去就を明らかにしていない。
知人女性への強制性交の疑いで書類送検されたのが、この5月。西武は登録を抹消して3軍扱いにして試合には出さず事実上の謹慎処分とした。その間、親会社の西武HDの株主総会では「超有名になった驕りが出たと思う。起訴、不起訴にかかわらず解雇を考えてもいいと思うが、球団としてはどうか」などの過激な意見も出たが、不起訴となったことで、9月に球団は無期限の公式戦出場停止処分とした。その後、山川は、謝罪の囲み会見を開き、「真摯に受け止めて反省して、これからの取り組みにつなげていくしかない」などと頭を下げた。球団も公式戦ではないとの判断でフェニックスリーグの出場は認め、実戦復帰も果たした。
なんの事件もなければ、ソフトバンクへのFA移籍が濃厚とされていた。山川もFA移籍を念頭におき、昨年オフに球団から提示された4年契約を蹴り、単年2億7000万円(推定)で契約を結んだ。だが、事態は急変。コンプライアンスや球団イメージの問題などもあり、ソフトバンクも山川の出方をうかがっている段階。
中日も山川の動向に注目しているが、資金面の問題もあり、FAをした場合も目が飛び出るようなオファーはできないとみられ、山川にFAのメリットがどこまであるかも微妙だ。
その中で西武が単年で残留オファーを出したとみられる。すでに代理人交渉に入っているが、今季は17試合出場に留まっており、相当な減額オファーになっていると推測される。それを受け入れる場合は、もちろんFA権を行使せずに残留することになるだろう。
山川は、どんな選択をすべきなのか。
2016年から3年間、西武のコーチ経験があり、現在、来季からイースタンリーグに新規参加するBCリーグ新潟アルビレックス監督の橋上秀樹氏は、「西武で1年残留してプレーするのが理想では?」という意見だ。
「チームに迷惑をかけた。山川が戦力にならなかったことと今季の西武のチーム成績5位は無縁ではない。残留オファーがあるのであれば、みそぎのつもりで1年、西武に恩返しをしてからチームを出ていくのがファンもチームも一番、納得する形ではないか。私は西武のコーチ時代に山川を知っているが、律儀で情熱があり向上心の高い選手。自分さえよければいいというタイプではない。ファンや迷惑をかけた球団への恩返しを考えていると思う。“もう自分は西武にいない方がいいのでは?”とも考え悩んでいるのかもしれないが、最終的には残留を選ぶのではないか。コンプライアンスの問題などで現段階で受け入れに躊躇している球団も、そういうみそぎの1年を過ごした後ならば獲得しやすいだろう。来季の成績も関係してくるが、条件面も今FAをするよりも来年の方がアップすると思う」
ただ西武残留となった場合でも山川を巡る騒動は終わりではない。