「ますます嫌いになった」「彼の人生。何も悪くない」西武の山川穂高の無期限公式戦出場停止処分中のFA行使にSNS上で賛否…ソフトバンク移籍が最有力か
その去就が注目されていた西武の山川穂高(31)が期限の14日にFA権を行使した。山川は球団を通じてFA宣言に至った切実な思いを伝えたが、SNSやネット上では、無期限の公式戦出場停止処分中の決断に賛否両論が噴出した。山川の獲得に興味を示しているのはソフトバンクと中日の2球団。両球団の資金力を考慮するとソフトバンク移籍が最有力だ。
「社会から離れることまでも考えました」
期限のギリギリまで思い悩んだ山川がFA宣言を決断した。
山川は球団を通じて「結論を先に申し上げますと、今回、FA 宣言をさせて頂くことを決断致しました」と報告した。
山川が知人女性への強制性交の疑いで書類送検されたのが、この5月。西武は登録を抹消して3軍扱いにして試合には出さず事実上の謹慎処分とした。その間、親会社の西武HDの株主総会では「起訴、不起訴にかかわらず解雇を考えてもいいのでは」という厳しい意見も出たが、不起訴となったことで球団は9月に無期限の公式戦出場停止処分とした。その後、公式戦ではないとの判断でフェニックスリーグの出場は認められ実戦復帰も果たしたが、それらの経緯を踏まえて、山川は、決断に至るまでの葛藤をこう吐露した。
「皆様に多大なる不快な気持ち、不信感を生んでしまった一連の出来事を通じて、ただ野球をするということだけではなく、関係する全てのことを自分ひとりで考え、また家族と考えさせて頂きました。野球から離れることだけではなく、社会から離れることまでも考えました。 それでも私の心から消えずに残り続けたことは、野球がやりたい、野球をさせて頂きたいという答えでした。プロ野球選手として恥ずべきことですが、ここまでの気持ちになったのは、これまでの野球人生で初めてのことです」
そして、ファンへ理解を求めて、こう続けた。
「この私の意志を受け入れて頂けることがあるならば、ライオンズに居続けることが、ファンの皆様、球団の皆様に対する感謝の形、謝罪の形、誠意であるということも考えています。同時にFA 宣言が持つ 選手の権利として定められた制度という理解を超え、これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました。 FA 宣言により西武ライオンズ以外の球団の考えを聞いた上で、残留か移籍の判断をさせて頂くことは、新たな野球人生へと歩ませて頂きたいという、私の一方的な願い、自分本位な意思のように聞こえてしまうであろうことも重々承知しております。それでも私が宣言させて頂くことで、何より、私自身の これからの野球人生に対して、重い責任を持ち続けることの覚悟であることを、どうか少しでもご理解いただけたら幸いです」
すでに西武は単年での残留オファーを出していた。昨年のオフに2億7000万円で単年契約を結んだが、今季の出場は17試合に留まり、かなりの減額でのオファーだったと推測される。山川は、その評価を聞いた上で、FA宣言をしたのだから、この文面のような西武残留の可能性は、ほぼないと見ていいだろう。
山川はコメントを「ご伝達が遅れましたことにつきまして、誠に申し訳ございませんでした。お待ちいただき、また、ご心配いただきましたこと、心より感謝申し上げます」という言葉で結んだ。
FAは選手の尊重されるべき権利。とはいえ。無期限の公式戦出場停止処分が解かれていない状況下でのFA宣言に対してSNSやネット上で賛否両論が入り乱れた。