「特にしんどいとは思っていない」久保建英がW杯予選スタート前に明かした欧州組の過密日程による“疲労蓄積問題”の本音
サッカー日本代表のMF久保建英(22、レアル・ソシエダ)が15日、ヨーロッパ組の“疲弊問題”に再び言及した。10月に「きつい」と過密日程と長距離移動に本音を漏らした久保は、一転して「聞かれたからそう答えただけで、問題はありません」と明言。同日に故障離脱したMF三笘薫(26、ブライトン)を含めて、怪我人が続出している状況にも「いまいる選手がそのときのベスト」と不安を一蹴しながら、今日16日のミャンマー代表との北中米W杯アジア2次予選初戦(パナソニックスタジアム吹田)に臨む。
「聞かれたからそう答えただけです」
自らの発言が独り歩きする形で、大きな波紋を広げてから約1カ月。ヨーロッパ組を巡る所属チームの過密日程と日本への長距離移動に、久保が問題なしを強調した。
ミャンマー戦の試合会場、パナソニックスタジアム吹田で15日に行われた公式練習後に取材対応した久保は、10月シリーズ中に「きついですよ、正直」と語った件について「聞かれたからそう答えただけです」と明言。各国のリーグ戦が中断する国際Aマッチデー期間に試合に臨める喜びを含めて、前回を補足するように言葉を紡いだ。
「特にしんどいとは思っていないですし、サッカーが好きでやっているので問題はありません。僕なんかは『ソシエダのみんなが練習だけをしている期間に、試合ができてラッキー』というくらいの気持ちで代表に来ている。親善試合は親善試合でまた違った楽しみがありますけど、代表としては久しぶりの公式戦なので楽しみですよね」
ソシエダで2年目を迎えている今シーズンの久保は、ラ・リーガ1部、そして初体験のUEFAチャンピオンズリーグの両方でフル回転している。10月シリーズに臨むために帰国した際も、その前週の火曜日にザルツブルクとのチャンピオンズリーグで、そして日曜日にはアトレティコ・マドリードとのリーグ戦でともに先発出場していた。
ゆえにメディアから心身の状態を問われ、前述したように正直に答えた。インパクトの強い言葉に覆い隠されてしまった感があるものの、このときには代表ならではの最高の充実感を覚えているとばかりに、こんな言葉を続けていた。
「日本ではいろいろな人たちが代表の試合を待ってくれている。チケットも完売しているなかで試合ができるのは、選手としてすごく幸せです」
公式練習前には三笘のチーム離脱が発表された。
ブライトンでプレミアリーグ、UEFAヨーロッパリーグにフル回転していた三笘は14日に帰国。しかし、疲労を考慮されて同日の練習には参加せず、宿泊先のホテルで静養に努めていた。一転して離脱となった経緯を、森保一監督(55)はこう説明する。
「足が張っている、という情報は入っていたが、クラブではプレーできていたので、疲労を考慮しながらコンディションを作っていけばプレーは可能と考えて招集させてもらった。三笘本人も強い気持ちを持って帰国したが、検査結果がプレー可能な状態ではなかった。無理矢理プレーさせるわけにはいかないので、離脱という判断になった」
三笘だけではない。故障離脱中のDF板倉滉(26、ボルシアMG)ら3人を招集できなかった今シリーズ。8日に26人のメンバーが発表された後もFW前田大然(26、セルティック)とFW古橋亨梧(28、同)、MF川辺駿(28、スタンダール・リエージュ)、MF伊藤敦樹(25、浦和レッズ)の4人が相次いで怪我を理由に辞退した。
14日の練習ではDF冨安健洋(25、アーセナル)が疲労で完全別メニュー調整を強いられた。前週もチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどのグループリーグが行われ、さらに週末のリーグ戦をへて三笘や冨安、そして久保らはそれぞれ帰国していた。怪我を危惧する声に、久保は「特に僕からのコメントはありません」とこう続けた。
「国際Aマッチデー期間で選手を呼ばない理由がないし、たとえ所属クラブに残ったとしても、そこで練習するだけなので。きついのはみんな同じですし、それぞれ置かれた立場でやれることをやっている。好きなことでご飯を食べられている状況に感謝したいですね」