なぜ横浜DeNAと3年契約の最終年を更新したオースティンは「雨降って地固まる」という諺を引用して復活を誓ったのか?
横浜DeNAは19日、タイラー・オースティン(32)と来季の契約を結んだことを発表した。 オースティンは2021年オフに3年の複数年契約を結んでおり、今回は、その契約を履行したもの。この2年間、故障に苦しみ結果を残せていないオースティンは、勝負の契約最終年となる来季に向けて「やり残したことがまだまだある。以前よりも強くなって帰ってくる」と“打棒復活”を誓った。またドミニカ共和国出身のハンセル・マルセリーノ(21)、ベネズエラ出身のジョフレック・ディアス(24)の両投手とも今季に続けて育成選手契約を結んだことも併せて発表された。
「やり残したことがまだまだある」
来季が勝負のシーズンとなる。横浜DeNAが、ここ2年、故障続きで期待を裏切ってきたオースティンと来季の契約を結んだことを発表した。3年契約の最終年の更新だ。
オースティンは、球団を通じて「来年もベイスターズでプレーできることうれしく思います」とのコメントを伝え、「今シーズンも残念ながら私にとって非常に悔しい シーズンとなりました」と、戦力になれなかった今季を振り返った。
2022年のオフに右肘の手術を行ったオースティンは、その影響で開幕に間に合わず、5月から一軍に合流したが、6月の交流戦でヘッドスライディングをした際に右肩を痛めた。「右肩鎖関節のねんざ」と診断され、6月22日に登録を抹消。以降1軍でのプレーはなく、結局、わずか20試合、54打席の出場に留まり、打率.277、0本塁打、6打点の成績に終わった。
オースティンは、その間の心境をこう語る。
「昨年行った右肘のクリーニング手術から復帰し、交流戦に間に合わせることができましたが、交流戦でのとあるプレーで肩を負傷していまいました。復帰した矢先の再負傷ということもあり、正直挫けそうになるときが何度もありました。しかし、ベイスターズファンの皆さまからの心強い応援を力に変えて、今はアメリカのリハビリ施設で日々リハビリを続けています」
チームが2位争いをしていた9月20日に帰国し、米国で「右鎖骨遠位端切除術」の手術を受け、現在はリハビリに励んでいるという。
通訳から日本に「雨降って地固まる」という諺があることを教えられたというオースティンは、故障に苦しんだ2年を雨に例えて来季の完全復活を誓った。
「私自身としてもやり残したことが、まだまだあると思っています。以前よりも強くなって帰ってきて、最高のベイスターズファンの皆さまと悲願の日本一が達成できるように頑張ります」
ヤンキース、ツインズなどでプレーしていたオースティンは2020年に横浜DeNAに入団し、1年目から衝撃デビューを飾った。故障が多く、出場は65試合だったが、打率.286、20本塁打、56打点、OPS.969の成績を残し、2021年には規定打席に4打席足りなかったものの107試合に出場し、打率.303、28本塁打、74打点をマーク。そのオフに3年総額8億5000万円(推定)で複数年契約を結んだ。
だが、2022年は、痛めていた右肘の手術のため4月に一時帰国、主に代打の切り札としての出場に留まり、わずか38試合、38打席で打率.156、1本塁打、3打点の成績に終わり、この2年間は不甲斐ない成績でチームに貢献できなかった。