FA権を行使した横浜DeNA石田健大の移籍先に注目が集まる
FA権を行使した横浜DeNA石田健大の移籍先に注目が集まる

なぜ巨人は横浜DeNA石田健大の獲得を宣言しないのか?

 今オフにFAを宣言した7選手のうち28日までに3選手の去就が決定、残るは4人となった。西武の山川穂高(32)と共に、その動向が注目されているのが横浜DeNAの左腕、石田健大(30)だ。推定年俸6200万円のCランク。オリックスから日ハムへの移籍が決まった山崎福也(31)の争奪戦に乗り出していたソフトバンク、ヤクルト、巨人は動くのか。本当に石田を獲得すべき球団はどこなのか。

 残るFA選手は石田、山川、平井、松井の4人

 

 2023年にFA権を行使したのは7人。ここまで広島の西川龍馬がオリックス、ロッテの田村龍弘が残留、オリックスの山崎が日ハムへの移籍が決定した。残るは、西武の山川、平井克典、横浜DeNAの石田、楽天の松井裕樹の4人。平井は残留が濃厚で、松井はメジャー希望。山川はソフトバンク以外が名乗りをあげていない状況の中で注目を浴びているのが横浜DeNAの左腕石田だ。
 オリックスのリーグ3連覇に貢献した左腕の山崎の争奪戦にはソフトバンク、横浜DeNA、ヤクルト、巨人、日ハムの5球団が参戦。日ハムが逆転で金星をあげたが、その山崎と同様に石田も推定年俸6200万円のCランクで人的補償がいらない手頃なFA選手で、しかも、先発、中継ぎの経験があり使い勝手がいい。 
 今季の成績は、山崎が23試合に登板し11勝5敗、防御率3.25、対する石田が、同じく23試合に登板して4勝9敗、防御率3.97。石田の成績が落ちるため山崎に人気が傾いたのは理解できるが、石田は、今季は阪神との開幕投手を務め、23試合すべて先発で年間を通じてローテ―を守り、6年ぶりに100イニングを越える118イニングを投げ切った。
 山崎に触手を伸ばしていた残り3球団が方向転換をしてもおかしくないだろう。実際、ヤクルトが、いち早く調査をスタートさせ複数年契約を用意して交渉のテーブルにつくという。
 来季からイースタンリーグに新規参入するオイシックス新潟アルビレックスBCの監督で、楽天、巨人、西武などで“参謀”を務めた橋上秀樹氏は、「ヤクルトが石田の獲得に乗り出すという報道を見ましたが、最も動くべきは巨人でしょう」という見解を述べる。
「山崎に比べると石田はワンランク落ちるので、年俸がほぼ同じであれば、山崎に殺到したのは理解できる。ただ石田は先発でゲームを作れるし、中継ぎ経験もある。間違いなく戦力になる左腕。特に日本一となった阪神には、近本、中野、木浪、佐藤ら左の好打者が多く優勝を狙うためには左腕は貴重な存在になる。巨人は、先発左腕に関しては、横川が出てきそうだったが、安定感を保つことはできずメンデス、グリフィンの外国人に頼っている状況。ここに石田が、先発ローテ―に加われば、大きな戦力補強になるだろう。阿部新監督が自ら出馬して山崎を獲りにいったのであれば、石田にも動くべき。石田に関しては、全球団が後出しジャンケンになるのだから、有利、不利もないだろう。何より2年連続でBクラスに終わり、ファンに対して優勝にどれだけ本気かを示す必要がある」

 

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