戦後最年少となる46歳の“ツネ様”宮本恒靖氏の日本サッカー協会会長就任で何がどう変わるのか?
日本サッカー協会(JFA)の次期会長に、日本代表としてW杯に2度出場し、キャプテンも務めたJFAの宮本恒靖専務理事(46)が就任することが29日、事実上決まった。田嶋幸三会長(66)の任期満了による退任に伴い、来年3月に実施される会長選挙における唯一の立候補者として、同日にJFAから発表された。今後は来月下旬の信任投票と来年3月の理事会をへて正式に就任する。現役時代に「ツネ様」の愛称で親しました宮本氏は、会長としてJFAをどのように変えていくのか。
対抗馬が立候補できず“無投票”当選
日本サッカー界の最上部団体のトップに、あの「ツネ様」が就く。
2016年3月に現職に就き、最終4期目を務めている田嶋会長は任期満了で来年3月に退任する。それに伴って同時期に実施される次期会長選挙における唯一の立候補者として、JFA専務理事を務める宮本氏が決まったとJFAから発表された。
JFAの会長選挙には、すべての希望者が立候補できるわけではない。
規約ではまず、希望者はJFA内に立ち上げられた「会長予定者選出管理委員会」による身辺調査を受ける。事前評価などを含めた調査をクリアした希望者は、今回の場合、10月30日から11月25日まで27日間におよぶ「推薦依頼期間」に臨む。
推薦を依頼するのは、47都道府県協会の代表やJ1クラブの社長、女子プロリーグ、フットサル連盟やビーチサッカー連盟、中学・高校・大学など79団体で構成されるJFAの評議員。全79人のうち16人以上の推薦を得て、ようやく正式な立候補者となる。
推薦依頼期間中には、具体的な名前や人数こそ伏せたものの、複数の立候補希望者がいるとJFAは説明していた。同時期に複数のメディアで宮本氏とJリーグチェアマン室特命担当オフィサーの鈴木徳昭氏(61)が立候補を検討していると報じられた。
しかし、実際に推薦依頼期間を終えて立候補者として発表されたのは宮本氏だけだった。1993年に加わったJFAで日本代表のハンス・オフト元監督の通訳を務め、2002年W杯招致などにも尽力した鈴木氏は、16人以上の推薦を得られなかったと見られる。
また、一部メディアで出馬が報じられた元日本代表監督で、JFA副会長の岡田武史氏(67)の名前もなかった。立候補を希望すれば間違いなく16人以上の推薦を得られるキャリアを持ち、事前評価も申し分ないだけに、立候補自体を見送った可能性が高い。
月例理事会などでJFAのスポークスマンを務める宮本専務理事は、他の希望者との間での公正公平を保つ上で、推薦依頼期間中は会長選挙に対して沈黙を貫いてきた。実際に唯一の立候補者となったいま、JFAをどのように変えようとしているのか。
古巣・ガンバ大阪監督を2021年5月に解任され、その後はフリーとなっていた宮本氏は2022年3月にJFA理事に就任。今年2月には会長、4人の副会長に次ぐJFA内の要職となる専務理事へ、異例とも言えるスピード出世を果たした。