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1.28有明で武尊とロッタンがついに対決
1.28有明で武尊とロッタンがついに対決

「地球上最高の殴り合い」武尊は天心戦で失った“何か”を1.28有明「ONE165」で実現したロッタン戦で取り戻すことができるのか?

 アジア最大級の格闘技団体「ONEチャンピオンシップ」が30日、都内のシャトーアメーバスタジオで会見を開き、来年1月28日に東京の有明アリーナで「ONE165:Rodtang vs Takeru」を開催、3分×5ラウンドのフライ級キックボクシング・スーパーファイトとして元K-1王者の武尊(32)とONEフライ級ムエタイ世界王者のロッタン・ジットムアンノン(26、タイ)が対戦、ライト級のMMAルールで“レジェンド”青木真也(40)とセージ・ノースカット(27、米国)が激突するカードを発表した。ONEの日本開催は2019年の3月、10月以来、4年ぶり3度目。今大会はケージではなくリングを使って行われ、試合の模様はPPVでABEMAが独占生配信する。

 「世界最高の殴り合いを見せて勝つ」

 武尊のONEデビュー戦が待望のロッタンとの激突となった。
 会見の第一声で「デビュー戦が決まってしかも日本開催。嬉しいし、ロッタンは戦いたかった世界トップの選手。2人で世界最高の殴り合いを見せて必ず勝つ」と喜びを抑えきれなかったのも当然だろう。昨年6月の「THE MATCH」で那須川天心(現・帝拳)に敗れた後にK-1を離れ、ONEに戦いの舞台を移すことを決めた武尊は、ロッタンとの対戦を熱望していた。ロッタンと戦うためにONEを選んだと言っても過言ではない。
 来日して会見に出席したロッタンも「KO勝利で決着をつけたい」と対抗した。
 ONEのチャトリ・シットヨートンCEOは、この試合をこう表現した。
「地球上で最高のストライカーの対戦。世界的に見ても天心―武尊に匹敵するような注目を集める対戦」
 武尊は6月にフランスで行われたISKA世界スーパーライト級王者、ベイリー・サグデン(25、英国)とのISKA・K―1ルール世界61キロ王座決定戦で、5回KO勝利。9月にはロッタンとONEフライ級キック王者、スーパーレック・キアトモー9(28、タイ)との対戦をタイの現地で観戦した。オーバーウエイトのスーパーレックにロッタンが判定で敗れたが、武尊の評価は何ひとつ変わらない。
「体重超過もあって体格差を感じた。ロッタンのリスクをかえりみない戦いに気持ちの強さを感じた。フィジカルもそう」
 ロッタンは、2018年6月にRISE世界フェザー級王座決定戦で天心と戦い、延長戦の末に敗れたが、天才キックボクサーを追い詰めた試合の判定は、物議を醸した。チャトリCEOは、5月の会見時に「ロッタンが絶対に勝っていた。世界レベルの(ジャッジが揃っている)ONEではこういうことはない」と発言。加えて魔裟斗や天心に対して「国内レベル」とリスペクトに欠いた失言を繰り返して、関係者やファンの反感を買った。この日は、それらの発言について会見の冒頭で深く謝罪したものの「個人的な視点ではロッタンが勝っていたのではないかといまだに信じている」と持論は曲げなかった。
 武尊は「THE MATCH」で天心に1ラウンドにダウンを奪われて判定で敗れた。
 天心に2人とも敗れたわけだが、この三つ巴の戦いをチャトリCEOは「これは2人の戦いではない。天心とロッタン、武尊と天心、そしてロッタンと武尊。格闘技のトライアングル。おもしろいものになる」と評した。
 武尊も三つ巴の戦いに意味を見出だす。
「格闘技において三段論法というのは存在しない。ロッタンにどれだけいい勝ち方をしても天心に勝ったとは思わない。ただKOで勝つことで自分の中でザマッチの悔しさに納得がいき、けじめがつく。だからロッタンを必ずKOしたい」
 ロッタンも武尊―天心戦をこう見ていた。
「すごくいい試合だった。武尊が一方的に負けたとは思っていない」
 武尊にとって日本のリングは天心戦以来となる。
「日本のファンの皆さんに最後に見せたのが負ける姿。悔しい気持ちもあってフランスの復帰戦で勝つことができた。今度は日本のファンの目の前で勝つ姿を見せたい。必ず勝って喜びたい」
 東京ドームでは敗れた武尊に天心に負けないほどの大きな拍手と声援が送られた。だが、武尊には、あの敗戦で失ったものがある。その失った何かをロッタンという好敵手との戦いで取り戻す。そして何より、あの満場の拍手をくれたファンに恩返しがしたい。ロッタン戦は武尊にとって熱いテーマがあるのだ。

 

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