「今までの野球がどこまで通じるか」オリックスに広島からFA移籍した西川龍馬は“打倒阪神”日本一奪還の“使者”となれるのか?
広島からフリーエージェント(FA)でオリックスに移籍した西川龍馬外野手(28)が1日、大阪市内のホテルで入団記者会見を行った。4年総額12億円(金額は推定)の大型契約で移籍した西川の背番号は「7」に決定。チームにとっては得点力不足と手薄な外野守備の補強を完結した形だ。西川は「最多安打のタイトルを取りたい」と意気込み、パ・リーグ4連覇と阪神からの日本一奪還の使者になることを宣言した。
決意の赤ネクタイ「カープなので決めていた」
スーツ姿の西川はスッキリとした表情で会見場に現れた。その隣では終始ニコニコ顔の福良淳一GM。なごやかなムードで会見は始まった。
ひときわ目を引いたのはカープ愛を象徴するような赤いネクタイ。「これは決めていた」と古巣への感謝の気持ちと筋を通し、破格の厚遇で迎え入れてくれた新天地での活躍に胸を躍らせた。
「今日でオリックスの一員になれた。不安は大きいが、それをいいプレッシャーと感じて取り組んで行きたい」
広島では8年間で通算打率.299をマーク。「天才」とも称されるバットコントロールが持ち味で、シーズン100安打以上を5度達成している。今季は109試合に出場し、リーグ2位の打率.305、9本塁打、56打点。初のベストナインにも選ばれ、外野守備も向上した。
FA移籍前には広島の新井貴浩監督にあいさつ。宣言後には、パ・リーグを熱望して複数の球団が興味を示していたが、オリックスに即決した。決め手になったのが、福良GMからの「西川君が必要という言葉が印象的だった」と目尻を下げた。リーグ3連覇中のオリックスの印象を聞かれ「細かい野球をする。中嶋監督は先の先まで考えながら采配し、選手起用がうまい」とそつなく答えた。
オリックスからすれば、森友哉に続く2年連続の大物野手の争奪戦の勝利。糸井嘉男、西勇輝と、続けて阪神に流出し、どちらかと言えば、獲られる方だった暗黒時代からは一転した。その理由を聞かれ、福良GMは、「僕はなにもしていない。チームが強くなったのと、明るくてクリーンなイメージが他球団にも伝わっているのかも」と分析した。
背番号は広島時代の「5」は西野真弘がつけているため、敦賀気比高(福井)の1学年先輩でもある”マッチョマン”吉田正尚(レッドソックス)が2022年までつけていた「7」に決まった。
「ちょっと重たいかな」
入団決定後には、同じ左打者として首位打者2回の偉大な先輩に電話で報告したそうで「しっかり結果を出せるように頑張ります」と伝えると「頑張りや」とエールを送られたという。
移籍1年目のシーズンには、2つの目標を掲げた。全試合出場と最多安打のタイトルだ。
「打率は上がり下がりするものなんで。自分的には積み重ねていく方がいい。最多安打を狙いたい。毎年、何かしらケガで離脱することが多いので、まずはケガをしないこと。全試合出場を第一目標にします」
今季の同タイトルは163本を打ったソフトバンク柳田悠岐。ギータ超えがひとつの目標になる。今季もコンディション不良での欠場時期があった。ケガ防止のため「体のメンテナンスに力を入れ、柔軟性を見つめ直している」と意識も高めている。