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2023年現役ドラフト結果
2023年現役ドラフト結果

現役ドラフトで成功した球団と疑問符のつく球団はどこ?…ノムさん“参謀”を務めた元ヤクルト編成部長が独自診断

 第2回目となる現役ドラフトが8日、非公開のオンラインで行われ、12人の移籍が決定した。ドラフト1位投手が3人指名され“日本一”阪神の馬場皐輔投手(28)が巨人へ、ロッテの佐々木千隼(29)が横浜DeNAへ、中日の鈴木博志(26)がオリックスへ移籍することになった。阪神はオリックスから中継ぎ右腕の漆原大晟(27)を獲得。また2巡目以降の指名は実施されなかった。大化けの可能性を秘めた選手が指名できて成功の可能性がある球団と、その人選に疑問符がつく球団はどこなのか。“再生工場”で知られる故・野村克也監督の右腕としてヤクルト、阪神などでユニホームを着て、ヤクルトでは編成部長を務めた松井優典氏に独自視点で診断してもらった。

 大成功は巨人「中継ぎ版の第二の大竹になる可能性も」

 

 昨年は、阪神の大竹耕太郎、中日の細川成也の2人に代表される成功例があった現役ドラフト。果たして来年に第二の成功を果たす可能性のある補強ができたのはどこなのか。
 松井氏は「今回はポテンシャルがありながらも燻っている選手ではなく、実績がありながらも出場機会のないという選手が増えた。本来の現役ドラフトの意図に近い中身になってきたのではないか」との印象を抱いた。
 その中で「この選手を出すのかと驚いた選手が3人いた」としたのが、阪神の馬場、中日の鈴木、西武の愛斗の3人だ。
 特に馬場を「今回の12人の中で計算が立つナンバーワン」と評価。成功の可能性がある1番手に、その馬場を獲得した巨人をあげた。
「おそらく阪神フロントと岡田監督は、大竹成功の恩返しの意味を込めて馬場をリストにあげたのではないか。今季の1軍登板数は、今回動くことになった9投手の中で一番多く、ストレートは140キロ後半は出るし、スプリット、カットなど変化球の制球力もあって中継ぎとしての安定感がある。阪神のブルペン陣は充実しているので出す余裕があったのかもしれないが、中継ぎ強化がテーマの巨人にとっては、大きな補強になった。ここまでトレード、ドラフトで投手を補強してきているが、最も計算の立つ投手を獲得できたのではないか。中継ぎ版の第二の大竹になる可能性があると思う」
 馬場は今季19試合に登板して防御率2.45、2勝1敗、3ホールドの成績を残した。仙台育英―仙台大を経て2017年のドラフト1位。阪神は清宮幸太郎(日ハム)を外し、外れ1位でも安田尚憲(ロッテ)を外し、外れ外れ1位で馬場に白羽の矢を立てた。プロ入り3年目の2020年から中継ぎとして頭角を現し、32試合に登板して防御率2.08、9ホールド、2021年も勝利方程式の一人として44試合に登板、防御率3.80、3勝10ホールドの結果を残した。
 2年連続のBクラスに沈んだ巨人は、チーム防御率がリーグ5位の3.39。投手陣の立て直しが急務で、阿部新監督は「魔の8回」と揶揄された抑えの大勢につなぐまでの中継ぎ陣強化に目を向けて、ここまでソフトバンクとのトレードでサブマリンの高橋礼、泉圭輔を獲得、オリックスからも金銭トレードで近藤大亮を獲得し、ドラフトでは、1位で155キロ右腕の西舘勇陽(中央大)を引き当てた。だが、計算の立つ補強は、まだなかった。阿部監督も「実力のある投手を獲得することができました」と喜びのコメントを出している。
 またオリックスから漆原を獲得した阪神にも大竹を発掘した期待値を込めて高い評価を与えた。
「オリックスも非常に中継ぎのレベルが高く、そこからはみ出した漆原は大化けの可能性を秘めた右腕。ストレートとスプリットのコンビネーションはセ・リーグで通用する。優勝した2021年には一時、ストッパーにも抜擢されていた。馬場以上のポジションを阪神で与えられるかもしれない」

 

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