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大谷翔平がまたドジャースのチーム補強に一役買った(写真・AP/アフロ)
大谷翔平がまたドジャースのチーム補強に一役買った(写真・AP/アフロ)

「あなたのために本塁打を打ちたい」大谷翔平がドジャースの先発右腕グラスノー獲得成功にひと肌脱いで勧誘ビデオレターを送る

 ドジャースは17日、レイズとの2対2トレードにより、先発右腕のテイラー・グラスノー投手(30)とマヌエル・マーコ外野手(29)を獲得したことを発表した。グラスノーとは、新たに5年1億3650万ドル(約193億8000万円)の契約を結んだが、この獲得交渉に協力したのが、入団会見を行ったばかりの大谷翔平(29)だ。米スポーツサイトのジ・アスレチックが報じたもので、大谷は「あなたのために本塁打を打ちたい」とのビデオレターを送ったという。先日は、山本由伸(25)との面談交渉にも出馬した。チームの世界一奪取のため「全員がひとつの方向を向くことが大事」との思いを有言実行している。

 1015億円の97%を後払いにしてド軍の補強をバックアップ

 

 また大谷がドジャースの世界一奪取に向けての補強に一役買った。
 この日、ドジャースは、今季レイズのローテーションの軸として21試合に登板して10勝7敗、防御率3.53の成績を残した100マイル(約161キロ)右腕のグラスノーの獲得を発表した。若手2人と400万ドル(約5億7000万円)の金銭をプラスした2対2トレードだが、なんと大谷がグラスノーにビデオレターを送っていたのだ。おそらくトレードを打診されたグラスノーがドジャースでの契約延長に納得してサインしてもらうための説得の切り札だったと考えられる。
 ジ・アスレチックが「複数の情報筋の話」としてスッパ抜いたもの。同メディアによると、大谷はビデオレターの中で「あなたとローテーションを共にできればよかったが、肘の手術のリカバリーがあり、2024年には投球できない。だからあなたのために本塁打を打ちたい」と熱く訴えたという。
 グラスノーがトレードによるドジャース移籍に納得した決め手は、今季2度目のMVPに輝き、本塁打タイトルまで獲得した二刀流スターからのラブコールだったのかもしれない。
 大谷は入団会見でウォルターオーナーとフリードマン編成本部長から「この10年の結果は成功ではない」という言葉をもらい「それだけ勝ちたいという思いが強いんだなと感じた」ことがドジャース入りを決断する理由になったと明かした。
 ドジャースは11年連続でポストシーズン進出を果たしているが、ワールドシリーズで勝ったのは3年前の一度だけ。
「僕自身の優先順位は、契約形態で分かるように(世界一が)一番上のところではあるので、野球選手として、あとどれくらいできるかというのは、正直、誰にもわからないのですし、勝つことというのが、僕にとって一番大事なことになります」
 10年7億ドル(約1015億円)のうち97%を後払いにする前代未聞の契約を結んだのも、チームにかかる贅沢税の負担を軽減して、補強費に回すことができればとの考えから。すでに山本とのドジャーススタジアムでの面談にも、フリーマンらと共に出馬。8球団の争奪戦となっている山本にドジャース入りをアピールした。
 そして今回のグラスノーへのビデオレター。「チームの全員がひとつの方向を向くことが大切だ」とも入団会見で語っていたが、大谷は、その言葉通りにまるでフロントの一員になったかのようにチームの補強に全面協力をしている。
 ジ・アスレチックは「優勝することや、彼の回りにチームが選手を揃えることを切望する思いを公に明かした大谷にとって、これはドジャースの一員として初めて成功を収めた売り込みになった」と大谷の協力を評価。
 さらに「ドジャースは山本を火曜日にスター選手を揃えてドジャースタジアムのツアーに招いたことが話題になったが、この分野(補強)において大谷は、すでに忙しく動いている。30歳のグラスノーを(先発陣に)加えた後でさえも、投手陣の補強が必要で、大谷の(後払いの)契約形態もあって山本との獲得交渉が続けられている」と続けた。
 そして最後に「大谷はチームの補強のためにリクルート役という3つ目の能力を自身に加えることになった。すでにドジャースの助けとなっている」と、大谷の“三刀流”とも言える活躍を称賛した。ドジャースが大谷に支払う1015億円は決して高くなさそうだ。

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