来年5月に東京ドームで井上尚弥VS“悪童”ネリのビッグマッチ計画
WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30、大橋)と元2階級制覇王者でWBC同級1位の“悪童”ルイス・ネリ(29、メキシコ)が来年5月に東京ドームで対戦する計画が練られていることが16日、明らかになった。米ボクシング専門サイト「ボクシングシーン」がネリのプロモーターであるフェルナンド・ベルトラン氏の発言を伝えたが、実際、井上が、26日のWBAスーパー&IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31、フィリピン)との4団体統一戦に勝利することを条件に5月に東京ドームでの対戦計画が進められている。
ネリのプロモーターは「ネリが勝つと信じている」
やっぱり行儀が悪い。
悪童“ネリ”の陣営は黙っていられなかったのだろうか。
「井上が(タパレスに)勝てば、5月には井上と戦えるだろう」
ネリが所属する「ザンファー・プロモーション」のプロモーターであるベルトラン氏が、米ボクシング専門サイト「ボクシングシーン」の取材に対して、こうコメントした。同氏は、さらにこう豪語した。
「正直なところ、私は、この(井上との)戦いに非常に自信を持っている。とてもいい試合になる。ネリに122ポンド(スーパーバンタム級)が適しているとは言えないが最高のファイターの一人であると信じている。(井上は)ネリとの対戦を待っていると思うしネリが勝つと信じている」
ネリも自身のXに「ビッグニュース」と投稿。「SOON(もうすぐだ)」という言葉に日の丸の絵文字を添えた。井上VSネリの発表が目前に控えていることを示唆したのだろう。
「ボクシングシーン」は、さらにベルトラン氏と井上の共同プロモーターであるトップランク社が数十年にわたって良好な関係にあり「この試合は日本で行われる可能性が高い」とも報じた。
実は、これらの情報は、すべて真実だった。
目前に控えたタパレスとの2階級4団体統一戦に成功することが条件だが、来年5月に東京ドームでネリを挑戦者に迎え、4つのベルトの初防衛戦を行うというファン垂涎のプランが水面下で進行している。
東京ドームでボクシング興行が行われるのは、34年ぶり。過去にWBC、WBA、IBF世界ヘビー級王者だったマイク・タイソン(米国)が、1988年3月と1990年2月に2度、タイトル戦を行っているが、日本人ボクサーがメインを張るのは、初の快挙となる。ちなみに、その2度目の登場では、伏兵のジェームズ“バスター”ダグラス(米国)にタイソンが10回にKO負けを喫する世紀の大番狂わせが起きて、世界中に衝撃を走った。
開催場所に東京ドームを選んだ裏には運営側の切実な問題もあった。井上は今回のタパレス戦も含めて、ここ3試合、有明アリーナでの開催が続いているが、1万5000人のキャパに10倍以上の応募があり、もはや5万人規模の東京ドームでしかファンの期待に応えられなくなっているのだ。