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2階級4団体統一の偉業を達成した井上尚弥が全米で“4冠”。クロフォードを押しのけて年間最優秀選手賞に評価された理由は?(写真・山口裕朗)
2階級4団体統一の偉業を達成した井上尚弥が全米で“4冠”。クロフォードを押しのけて年間最優秀選手賞に評価された理由は?(写真・山口裕朗)

なぜ井上尚弥は全米で年間最優秀選手賞“4冠”を達成したのか…クロフォードを押しのけて評価された理由とは?

 プロボクシングで史上2人目の2階級4団体制覇を成し遂げた井上尚弥(30、大橋)が6日(日本時間7日)、米ボクシング専門サイト「ボクシング・シーン」の2023年のファイター・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手)に選ばれた。前日には、権威ある米専門誌「ザ・リング」の同賞に選出されていたが、これでCBSスポーツ、ESPNに続く、米主要メディアでの“4冠”を達成した。モンスターの何がどう評価されているのか?

 「歴史的に最も重要な1年になった」

 またしてもモンスターに“勲章”が届いた。米のボクシング専門サイトとしてはメジャーな「ボクシング・シーン」が2023年の年間最優秀選手に井上を選んだ。
「”怪物 “井上が2012年10月にプロデビューして以来、2023年は最も歴史的に重要な年となった。井上は、この年誰もが認める(4団体統一)バンタム級王者から始まり、わずか5カ月の間でスーパーバンタム級の統一王者を2人を破り、この階級の完全なる統一王者としてその年を締めくくった」と評価。
 7月に、当時WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブ・フルトン(米国)を8回TKOで下し、12月に当時WBA&IBF世界同級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)を10回KOで破った2試合を紹介し「自慢のノックアウト・アーチストは(バンタム級で)4階級を制覇した、その圧倒的なパワーを明らかに(この階級に)持って上がった」と“階級の壁”をものともしなかったことを指摘した。
 同メディアが井上以外に年間最優秀選手の候補に上げていたのは、井上に先んじて史上初の2階級4団体統一を果たしたウェルター級のテレンス・クロフォード(米国)、WBC世界スーパーミドル級暫定王者のデビッド・ベナビデス(米国)、ライト級の3団体統一王者のデビン・ヘイニー(米国)、WBO世界スーパーウェルター級王者のティム・チュー(豪州)、そしてWBOの暫定だが、アジア人として初のヘビー級王者となった中国人の張志磊だ。
 同メディアは、「クロフォードは明らかにこの賞を受賞できたが、井上がボクシングシーンのスタッフのメンバーからより多くの票を獲得した」とクロフォードとの争いだったことを説明した。クロフォードも、7月に3団体統一王者だったエロール・エスペンスJr(米国)との“最強対決”で9回TKO勝利というインパクトのある勝ち方をしたが、2023年は、その1試合だけ。井上が5か月間で2試合に勝ち4団体統一を成し遂げた部分が評価されたのかもしれない。
 前日には「ボクシング聖書」と評価されているリング誌が、パウンド・フォー・パウンドのランキングでは、1位に留め置いているクロフォードを押しのけて井上を年間最優秀選手に選んだ。日本人として初の快挙。アジアでも元6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)以来となる。
 井上は公式Xに「権威あるリング誌の2023年最優秀選手賞に選出して頂き、大変光栄に思います。ですがこれも昨年の事として、2024年はより一層強い井上尚弥をお見せできる様精進して参ります」とのコメントを投稿した。

 

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