え!あの“ボールガール事件”のブズコバが全豪OPのダークホースだって?…地元チェコメディアが予想…SNS上での非難は沈静化
昨年の全仏オープンテニスの女子ダブルスで、加藤未唯(29、ザイマックス)組の失格を煽った“ボールガール事件”を起こし、世界中から非難されたマリエ・ブズコバ(25、チェコ)が14日に開幕する全豪オープンを前に元世界ランキング2位のコンチタ・マルティネス氏(51、スペイン)を新たなコーチに迎えたと、チェコメディアの『Aktualne.cz』が11日(日本時間12日)に報じた。課題の攻撃力をアップさせているブズコバを同メディアは、大胆にも全豪の女子シングルスのダークホースにあげたが、厳しいドローに入っていて、その可能性は高くない。事件から時間が経過していることもあってSNSでの“炎上騒ぎ”は沈静化している。
元全英Vの名コーチとタッグを組む
ヒールからスターへ。ブズコバが今年に描く青写真が明らかになった。
今季のグランドスラム大会の初戦となる全豪オープンの開幕を前に母国チェコメディアの『Aktualne.cz』が、11日(日本時間12日)にブズコバの特集記事を掲載。1994年のウィンブルドン選手権で優勝し、翌年には世界ランキング2位に浮上したスペインの“レジェンド”マルティネス氏を新たなコーチとして迎え、攻撃力のアップに取り組んでいることを伝えた。
「準備はできている――新たなチェコのスター誕生へ」
2006年に引退したマルティネス氏はコーチとして、グランドスラムで2勝をあげたガルビネ・ムグルサ(30、スペイン)、同じく準優勝2度のカロリナ・プリスコバ(31、チェコ)を指導。2人はともに世界ランキング1位に上り詰めている。
ブズコバは2022年12月に自己最高の24位をマークしたが、最新の世界ランキングでは35位。ベースライン上をアグレッシブに動き回り、しぶとくボールに食らいつくディフェンス力が高く評価されながらも、ネットプレーを含めたオフェンス力に難があった。
しかし、新たに組んだタッグのもとで、長年の課題が克服されつつあるからか。同メディアは今後へ向けたマルティネス氏のポジティブな言葉を伝えている。
「私は彼女の気迫と闘争心が大好きです。ただ、テニスプレーヤーとしてはまだまだ改善の余地がある。そこを向上させれば、世界ランキングでもっと上位に食い込める」
昨年末に契約を結んでからクリスマス休暇も最小限にとどめ、マルティネス氏の指導を受けてきた成果を実感しているからか。ブズコバも同メディアに対して「最初のトレーニングから、彼女に見られるとドキドキしてきた」と語り、さらにこう続けている。
「私がコート上で最も速い選手の一人であることは、コンチタ(・マルティネス)もわかってくれていた。そうしたディフェンス面でのアドバンテージを、アタック面でも上手く生かさなければいけないとずっと考えてきたなかで、彼女はコート上でベストの解決策を見つける手助けをしてくれる。私が知らなかったドリルも数多く教えてくれたおかげで大きく成長している。全力を尽くして彼女の指導を生かしていきたい」
言葉に関しては、ブズコバがサラ・ソリベストルモ(27、スペイン)と長くダブルスペアを組み、いまでは不自由なくスペイン語を操れるので問題はないという。
それまでほぼ無名だったブズコバの名前が世界中に知れわたったのは、昨年6月の全仏オープン。ソリベストルモとのペアで臨んだ女子ダブルスで、加藤とアルディラ・スーチャディ(28、インドネシア)組と対峙した3回戦で起こった“ボールガール事件”だった。