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ソフトバンクの小久保監督も14年前にFAの人的補償候補になっていた?!(写真:Yonhap/アフロ)
ソフトバンクの小久保監督も14年前にFAの人的補償候補になっていた?!(写真:Yonhap/アフロ)

ソフトバンクの14年前にもあったFA人的補償“疑惑の裏交渉”…小久保監督は内川聖一氏の人的補償候補だった?!

 ソフトバンクが西武からFAで獲得した山川穂高(32)の人的補償は甲斐野央(27)で決着したが、一部報道でベテラン左腕の和田毅(42)の名前が取り沙汰された問題が今なお尾を引いている。ソフトバンクのフロントの見通しの甘さが指摘されているが、実は14年前にも同じような“裏交渉”によって問題を解決していたという、もうひとつの疑惑が浮上したのだ。ルールの穴をつく“抜け道”をなくすための制度の見直しが必要かもしれない。

 和田の対応を巡りSNSで炎上

 ソフトバンクの和田が長崎で行っている自主トレ先で今回の人的補償騒動についての質問を受けて、答えに窮した対応が、またSNSやネット上で炎上した。すべての真相は藪の中だが、西武の指名選手が甲斐野で決着する前に一部スポーツ紙が、和田が人的補償候補だと報じたことで波紋を広げた問題は、ソフトバンクに暗い影を落とした。
 ソフトバンクが和田を28人のプロテクトから外していた可能性が高まっている問題に関して「見通しが甘い」との批判の声があがり、また西武に泣きつき、“大人の対応”で解決していたのであれば、その“裏交渉”に対して「もし報道が事実だとするならば、最悪の前例を作った」(評論家の里崎智也氏)などの指摘が乱れ飛んだ。
 そんな揺れるソフトバンクに新たな疑惑が浮上した。
 実は14年前の2010年に横浜(現DeNA)から内川聖一をFAで獲得した際にも、今季から新監督に就任した小久保裕紀をプロテクトから外し、その小久保が人的補償候補となったため、横浜に泣きつき、“裏交渉”の末、人的補償ではなく金銭補償だけで決着したというのだ。
 内川はBランク。当初、横浜は人的補償を求める方向性を示していた。巨人からソフトバンクに復帰して4年目を終えた小久保は、その時、39歳だったが、2010年は開幕4番でスタートし、途中故障で戦列を離れたが、112試合に出場、15本塁打、68打点の成績でシーズン終盤には打率3割を打っていた。ソフトバンクにすれば、39歳という年齢と怪我が多かったことから指名は回避できると考えてプロテクトから外したのだろう。だが、内川を抜かれた横浜は、小久保を指名候補としてリストアップしてきた。ソフトバンクは、小久保本人に打診することなく、横浜に再検討をお願いした。結局、DeNAが経営権を取得する前の横浜は“大人の対応”で人的補償は求めずに金銭の補償だけで決着を見た。

 当時の記事を検索すると、この時、横浜のフロント関係者は「欲しかった選手がプロテクトされていたので金銭となった」というコメントを残している。
 ソフトバンクは、この時点で小久保をチームリーダーとしても、将来の監督候補としても高く評価しており、過去に巨人へトレードで出した経緯などもあり、是が非でも守りたかったのだろう。小久保自身は、もし打診があれば、FAの規約に従い横浜に移籍するつもりだったという話も漏れ伝わっているが、フロントの「見通しの甘さ」という点では、非常に今回のケースと似ている。
 今回、和田が西武への移籍の打診をフロントから直接聞かされていたかどうかも定かではないが、小久保の例からするとソフトバンクのフロントが独自に「出せない」と判断して西武と掛け合った可能性が高いのかもしれない。ただ14年前の“裏交渉疑惑”が事実であるとすれば、ソフトバンクは、懲りずにまた同じ過ちを繰り返したということになる。

 

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