二転三転“ドタバタ”の末に離脱した伊東純也の性加害疑惑問題がアジア杯“勝負”のイラン戦に与える影響とは?
日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(66)が2日に都内で緊急会見を開き、性加害の疑いで刑事告訴されたMF伊東純也(30、スタッド・ランス)がアジアカップ・カタール大会を戦っている日本代表から離脱すると正式に発表した。伊東を巡っては、選手側の要望を受けてチーム離脱の白紙撤回が検討されたが、JFA幹部や弁護士らを交えた協議にスポンサー企業への配慮も加わって差し戻されるドタバタ劇があった。今日3日に難敵イラン代表との準々決勝へ臨む森保ジャパンに、伊東の離脱はどのような影響を与えるのか。
「総合的に判断した」
告知から約3時間後に行われた緊急会見。東京・文京区のJFAハウスの一室に入ってきた田嶋会長は、深々と頭を下げた後に「結論から申し上げます」と切り出した。
「森保一監督とも相談した結果、伊東純也選手がアジアカップを戦っている日本代表から離脱することとなりました。チームがしっかりと戦える環境を作る上で、総合的に判断しました。現地カタールで戦っているチームからの連絡もあって、日本時間の昨日夕方の離脱発表後に再検討するなど、二転三転したことをお詫び申し上げます」
伊東を巡っては1月31日に、2人の女性に対する性加害の疑いで刑事告訴されたと、週刊新潮のニュースサイト『デイリー新潮』が報じた。直後に行われたバーレーン代表との決勝トーナメント1回戦を、伊東は今大会で初めて出番なしで終えていた。
伊東の代理人弁護士も1日に、性加害はまったくの事実無根だとして、虚偽告訴容疑の告訴状を大阪府警へ提出した。そうした状況でJFAは同日夕方に公式HPを更新し、伊東が森保ジャパンを離脱すると発表。理由を次のように説明していた。
「報道されている事実関係の内容について当事者の主張が異なっていると理解しており、慎重な対応が求められると考えています。JFA としては伊東選手本人の心身のコンディションを考慮した結果、本日付でチームを離れることを決定しました」
しかし、直後に状況が一変する。
伊東とともに最後まで戦いたいと望んだ他の選手たちが、離脱の白紙撤回をチーム側へ要望。これを受けて離脱が一時的に保留され、さらに森保ジャパンに帯同している山本昌邦ナショナルチームダイレクター(65)が残留の方向で再検討すると明かしていた。
選手たちの意向は日本時間2日未明に、田嶋会長へも伝えられた。その場で渦中の伊東と話し合いを持ったと、同会長はその際の会話内容とともに明かした。
「心身ともに100%のコンディションでなければ、このアジアカップを戦うのは難しいと私は考えていました。ただ、伊東選手は仲間たちの強い気持ちもあり、しっかりと調整して一緒に戦いたいと言ったのも確かであり、その時点で再度検討しよう、となりました」