セリエAラツィオの鎌田大地が今季限りの退団を申し出る…伊メディア報道…移籍先候補にボルシアMGなどが浮上
セリエAのラツィオに所属する日本代表MF鎌田大地(27)が、今シーズン限りでの退団をクラブ側へ伝えたと、イタリアメディアが10日(日本時間11日)に報じた。昨夏に1年契約で加入した鎌田は思うように出場機会を得られず、3年の契約延長オプションを行使しない決断を下したという。フリートランスファーとして夏の移籍市場で新天地を探す鎌田に関心を示すクラブとして、日本代表DF板倉滉(27)らが所属するブンデスリーガ1部のボルシアMGの名前が上がっている。
ベンチスタートが続く苦境
苦境にあえぐ鎌田が、ついに決断を下した。
移籍情報に精通するイタリアメディアの『calciomercato.com』が、ベンチスタートが続く鎌田に関して「この夏、ラツィオに別れを告げる」と報じた。
「昨年8月にフリートランスファーで加入した鎌田は、契約に含まれている3年間の延長オプションを行使せず、わずか1年でクラブを去る。ビアンコチェレスティ(ラツィオの愛称)で以前から予見されていたこのシナリオに関して、選手本人から確証が得られた。27歳の日本人MFは、すでにクラブ側に決断を伝えたという」
鎌田は昨年6月、通算で5年間プレーしたブンデスリーガ1部のアイントラハト・フランクフルトを契約満了で退団。同年8月に移籍金が発生しないフリートランスファーで、昨シーズンのセリエAで2位に入ったラツィオに加入した。
開幕戦から4試合連続で先発した鎌田は、ナポリとの第3節で移籍後初ゴールをマーク。ラツィオにシーズン初勝利をもたらしたが、第5節以降はベンチスタートが激増。今年に入ってからはリーグ戦のピッチに立てない試合も多く、現地時間1日のACミランとの前節を終えた時点で出場18試合、プレー時間は754分にとどまっている。
出場機会が一気に減った理由は、2016-17シーズンからラツィオの中盤に君臨する大黒柱、スペイン出身のルイス・アルベルト(31)の存在がある。開幕4試合で1勝3敗と大きく出遅れたマウリツィオ・サッリ監督(65)は、アルベルトと鎌田をインサイドハーフで共存させる布陣を断念。鎌田をリザーブに回して中盤の守備強化を図った。
後半途中からの出場が続いていた昨年11月。森保ジャパンに招集されて帰国した鎌田は、ラツィオで苦境に陥った理由に対してこう言及していた。
「監督の戦術に対してはかなり慣れているし、言語も自分的にはそれほど大きな問題ではない。僕の絶対的な実力が足りない、というのに加えて、僕のポジションもいまは右(のインサイドハーフ)ではなく、左でルイス・アルベルトか僕という感じになっている。そのポジション争いで勝つことが、一番難しいと思っている」
今年に入ってからは、鎌田を取り巻く状況がさらに悪化した。
前節までのリーグ戦9試合で出場わずか3試合、プレー時間は70分に激減。日本時間12日未明に行われたウディネーゼとのセリエA第28節でも、中盤の主力に出場停止の選手がいながらも、鎌田はまたしてもベンチスタートだった。
ラツィオ入りする際に鎌田が重視したUEFAチャンピオンズリーグでも、ブンデスリーガの強豪バイエルン・ミュンヘンに2戦合計1-3で逆転負けを喫し、ラウンド16で敗退した。ともに途中出場だった鎌田は、特に敵地での5日の第2戦では0-3と大差をつけられた後半35分から投入されたが、何もできないまま終戦を迎えている。